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2006年1月 4日 (水)

New Year's Day

あけましておめでとうございます。

57a89330dca02df8941c5010l  新年一発目だからU2のあの曲のセレクションかと思いきや、もう一つの意味を込めています。

 ボノが、タイム誌のパーソン・オヴ・ザ・イヤーに選ばれました。

 世界で最も権威の高い国際ニュース週刊誌が、毎年、新年一号目に、前年に最も活躍、話題になった人を選出する。

 一番選ばれるのはやはりアメリカ大統領で、今のブッシュはもう既に二回選ばれており、クリントン、レーガン、ニクソン、ジョンソンも抱き合わせを含めて二回、逆に選ばれたことがない大統領はフォードくらい。次に各国の首脳。ゴルバチョフや鄧小平も二回。アマゾンのジェフ・ベゾスやCNNのテッド・ターナーなど企業家や、エイズ研究のホー博士など科学者もそこそこ。二年前のイラク駐留兵とか、三年前の「政府内通報者」とか、平和維持部隊とか集合体が選ばれることもあり、またコンピューターや、危機に瀕した地球、など物が選ばれたこともありました。1990年には「過去十年間の人物」としてゴルバチョフが、2000年には「20世紀の人物」としてアインシュタインが選ばれたりもしました。

 今までショービジネスから選ばれた人は一人もいません。従って当然、ロック、ポップスの世界から選ばれたのも初めてということになります。

1101020304_400  しかし、ここまで政治的な要素や世界情勢が加味されるのですから、ボノも音楽の功績で選ばれたわけではありません。彼の長年にわたる、アフリカを中心とした飢餓救済活動への努力が対象となったのでした。

 彼はバンドエイド、ライヴエイドに参加しましたが、その後実際にエチオピアに赴き事態が全く改善しなかったことに驚愕、彼は自ら運動を始め、運動の方向転換を試みる。それは、援助活動を成果主義に換えるとでもいうべきでしょうか、実際に金を出せる先進国の政治家や企業家の目をこの問題に向けさせること。彼はロビイストよろしくワシントン詣でをして、クリントン大統領、議会の民主共和両党の議員とがっちりパイプを作りアメリカ政界に浸透する。去年のスコットランドのグレンイーグルでのG8先進国サミットでは、ちょうど同じ時期にエディンバラ(懐かしい、ベイシティローラーズ)でU2のライヴもあり、ボノは5カ国の首脳と会談、G8500億ドルもの援助計画と貧困地域でのHIV対策改善を最終宣言に盛り込ませる。彼の凄さは、政治的には対立関係にある人たちも一緒に魅了し納得させてしまう、問題への精通度とカリスマ性にあるようです。

B00076sjpa01_sclzzzzzzz_  ボノが主宰する援助NGODATAという名前で、debt(負債) AIDS, trade(貿易), Africaの略で、貧困地域の状態を表すものですが、同時に democracy(民主主義) accountability(義務), transparency in Africa(アフリカでの透明性)という、先進国側の責任をも表せ、そしてもちろん、データ、実際の結果重視、の意味も持っているそうです。因みにこれを考えたのはボブ・ゲルドフだそうです。

1101051226_400  実業界にも手を広げ、02年に初めて会食したビル・ゲイツ夫妻もボノの活動に共鳴し、DATAの活動はゲイツ基金の支援があって可能になったとのこと。今回のパーソンズ・オヴ・ザ・イヤーはボノとゲイツ夫妻の三人が選ばれていますが、これらの流れ全てを作ったのはボノですし、タイムを読んでみてもほとんどボノのことしか書いてありません。実際には彼が選ばれたといって過言ではないでしょう。

 夏の汐留局の24時間テレビを話題にしたときにも書いたのですが、僕はそういうイベント型というか、バンドエイドものというか、寄付を募る型のチャリティには猜疑的なのですが、ボノの運動はその失敗への反省から、現場主義を採り、援助を受けるそれぞれの地域の多様性に応じたやり方を模索していること、寄付ではない、実際的な資金調達をしていることなどは一線を画していると思えます。しかしその先進国から拠出される援助も本を糺せばそれぞれの民の血税であることも忘れないでほしい。

 克也さんは、ライヴエイドのラジオ中継のとき、我々の世代、ロックは悪ガキのものだった、それがここまで善意で世界を動かすようになって感慨深い、みたいなことをおっしゃっていました。

 そのライヴエイドから20年。遂にロックからタイムのパーソン・オヴ・ザ・イヤーが出て、ロックが本格的に世界を動かしていく元年になりそうな気配。

 ジョージ・ワシントンとジョージ・ブッシュとジョージ・クリントンとビル・クリントンを一緒に語れる世にも珍しい男、パラノイア阿南でした。今年もこんな調子でヨロシク!

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コメント

初めまして&TBありがとうございます。
さすがだなぁ~の感心しながら読ませていただきました。
私は本格的な洋楽ファンというにはおこがましいくらい、知識が無いのですが^^ゞ、これからお邪魔させていただき、イロイロ勉強させていただきたいと思います。
どうかよろしくお願いします。

投稿: shige | 2006年5月 1日 (月) 08時56分

shiges様、コメントTBありがとうございます。こちらこそ、このブログを作って日が浅いし、日記形式ではない変則的なものなので苦労しております。本スレでの記事作成もいつも締め切り直前までネタ探しに悩んでいる状態で勉強などととんでもない。諸先輩方のブログをいろいろ参考にさせていただき助かっております

投稿: Prof.Harry | 2006年5月 2日 (火) 01時38分

おはようございます♪
TBありがとうございました。
お正月の記事とは、おめでたいです(笑)
私は’80年代以降の洋楽には疎くて、U2もやっと初めて聴いたような状況なんです。

「ヨシュア・トゥリー」に引続き、「WAR」もぜひ聴いてみます♪

投稿: Nob | 2006年6月 9日 (金) 10時25分

Nobさま、コメントありがとうございます。
時期を問わず、音楽界には名盤があふれていますからね。聴き始めたら限がない、でもそれが楽しさでもありますよね。
スティーヴィー・ワンダーの古いやつ、アナログに拘っていらっしゃいましたが、やっぱりCDで買わざるをえなくなったようですね?僕が言ったとおり、よかったでしょう?
インナーヴィジョンズに関しても克也さんの所に記事を書いたばっかりです。期限切れになってこちらに移せるようになったら、また繋がせていただきます。

投稿: Prof.Harry | 2006年6月10日 (土) 01時32分

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