« Bad Day | トップページ | Eight Days a Week »

2006年5月 5日 (金)

99

大変だったのですね。しっかり体力をつけて、お大事に。

 4月27日、TOTOのライヴに行ってきました。

 ここのところ、ストーンズ、ボンジョヴィと大物来日(名古屋飛ばしが多いことを考えると、来名、というべきか。全国的に通じない言葉ですみません)が相次いでいたのですが、仕事が重なっていけない、ドームコンサートはあまり好きではない(金が続かない、等々)などの理由から残念ながらパスしていて、ミック・ジャガーの「最高だギャあ!」(ステージから名古屋弁でシャウトしたらしい)も生で聞けず。でも行ける時には行っておこうということで。

 そこも実はあまりいい思い出がある会場ではなかった。古い公立の公会堂でロックコンサートを念頭に作られた建物ではない。二階、三階だと天井が異様に低く感じられ、比較的背が高いほうとされる小生は、盛り上がって前の席の観客が立ち上がっても怖くて立ち上がれず、ステージが見えなくなる。それがあって以来行っていなかった会場なんですけど、運良くそういう席ではなくほっとしました。

 それでも小会場のライヴのほうが大好きで、TOTOの個々のメンバーともそっちの思い出のほうが強い。

 まず、スティーヴ・ルカサー。

 今回のライヴのメンバーで結成以来ずっといるのはもはや彼だけで、ステージでも完全にフロントマンとして活躍し、MCも全部やっていて、日本語の音の真似や英語の四文字語を使っちゃうなど、相当ふざけてはしゃいでいました。

 僕が最高の彼を観たのは、ラリー・カールトンとのジョイントライヴ。小さな会場で、ヴォーカル曲なし、ロックの曲もなし、ひたすらフュージョンジャズを演りまくるステージでしたが、彼は別の意味ではしゃいでいました。ふざけたりヘンな言葉を発するというのではなく、とにかくギターを弾くのが楽しそうで。彼にもギター小僧の時代があり、それに一瞬戻っていたのではないかな、と。

 次にボビー・キンボール。

 これも最高だと思ったのは間近に観られた時で、6,7年前、日本向けの特別企画で、日本で人気のあるいわゆるAORグループのヴォーカリストたち、ボビーや、Joseph WilliamsTOTOの三代目ヴォーカリスト、映画音楽のジョン・ウィリアムスの子息)、Jason Scheff, Bill Champlin(共にシカゴ)、Tommy Funderburk(エアプレイ、ボストン)たちが集まり、70年代のヒット曲をアカペラでカバーして2枚のCDを出した「ウェスト・コースト・オールスターズ」という企画があったんですけど、そのライヴイベントの折。ボビーを含めて彼らは、声が大きく、とにかく歌うのが大好き、といった感じでした。直接質問もできて、サインももらえたし。

 ボビーはステージ正面ではなく向かって左側に位置し、曲の途中でも自分の出番がなかったら引っ込んでしまう控えめのパフォーマンスでした。やっぱりヴォーカリストがそういう位置づけをされているところが、このバンドを象徴していると思います。

Boz_scaggs_silk_digreesボビーは初代のヴォーカリストで、中抜けでまた戻ってきました。TOTOはボズ・スキャッグス「シルク・ディグリーズ」の録音セッションで意気投合したスタジオミュージシャンたちが結成し、ヴォーカルはルイジアナにいたボビーを呼んできたわけですが、その後、ヴォーカルは、Fergie Fredericksen (Le Roux)、上掲のジョゼフ、Jean-Michel Byronと二転三転します。TOTOは基本的にはロックインストロメンタルグループであろうとしていたのであり、ヴォーカルはフロントではなく単なる楽器のパートだと位置付けているのですね。

Toto_falling_in_between曲は、おなじみの古い曲もやりましたが、ニュー・アルバムFalling in Betweenなど、割と最近発表した曲が大半を占めて、それらはロックしている曲でした。彼らの初期のイメージを作り上げてしまった甘い曲は、例えば Hold the Line Make Believeをメドレーにしたり、「ロザーナ」もコード進行を変えてみたり。

彼らは、レコーディングでもできるだけライヴに近い一発録りをしていることで知られていました。スタジオミュージシャンの集まり、計算されたAORをやるバンド、そういうイメージを彼ら自身ではあまり好きではないのでしょう。

Toto_iv今のBSでのベストヒットUSAが生まれるきっかけとなった(と思われる)数年前の正月特番「ベストヒットUSAリターンズ」に彼らが出演した前回来日の折にはいたと記憶していますが、今回はデヴィッド・ペイチはいませんでした。でもやめた訳ではなく、アース・ウィンド&ファイアにおけるモーリス・ホワイトのような立場になっているらしい。健康を害していて、マスターマインドとしてレコーディングには参加することはあるが、ツアーには参加できない、と。代わりのキーボードプレイヤーとしてGreg Phillinganesが加入しました。アンコールの「アフリカ」でもリードヴォーカルをとっていました。彼も、80年代にCDを買ってバックミュージシャンをチェックしたら、5枚に1枚は名前が入っていたような人ですね。

ポーカロ三兄弟のうち、初代ドラムのジェフは92年に逝去、スティーヴは映画音楽に、ということで、結局は一番後に入ったマイクがベースで今でも一人がんばっています。

Toto_totoTOTOに関して今一つ思うことは、女性の名前をタイトルにした曲がやたら多いということです。「ロザーナ」が代表格ですが、他に古い順に(ここで大きく深呼吸)、Angela, Lorraine, Goodbye Elenore, Carmen, Hollyanna, Lea, Pamela, Anna, Mushanga, Melanieとこれだけある。

Toto_hydraそしてさらに隠しネタとして、彼らにとって二曲目の大ヒットである”99”も実は女の子の名前だった。ライヴでは演奏されませんでしたが、彼らの公式ウェブサイトのドメインにも使われています(www.toto99.com)。ジョージ・ルーカスの映画THX-1138に触発されて、遠い未来、人の名前は廃止され、すべて番号で整理されるようになるだろう、と。このアイディアにはしびれましたが、その後、普通の名前の曲をそれだけ量産した節操のなさに興醒め。実際に付き合った娘から名前を拝借することも多いそうなので、それだけいろいろあったのかもしれない、とも取れますが。

|

« Bad Day | トップページ | Eight Days a Week »

70年代」カテゴリの記事

80年代」カテゴリの記事

コンサート・ライヴ」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

Prof.Harryさん
TBありがとうございます。
「99」にそんな名前があったとは、驚きでした。
だって、
99・・I love you. て普通おかしいですもんね。

TOTOのコピバンでやってる中ではこの曲が一番好きです。
ピアノメインの曲なので頑張ってます。

今年のTOTOライブも行かれますか?
私はまだ迷い中です。

投稿: マリ | 2008年2月 7日 (木) 18時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80310/2556442

この記事へのトラックバック一覧です: 99:

» Lowdown [「小林克也のRadioBaka」  期限切れ遺失物移管所]
ボズ・スキャッグスのライヴに行ってきました。 彼は1944年生まれだから61歳な [続きを読む]

受信: 2006年7月 8日 (土) 20時57分

» TOTO 「TOTO IV: 聖なる剣」(1982) [音楽の杜]
1982年度グラミー賞7部門受賞のTOTO最大のヒットアルバム ホント売れまくりましたね。あまりにも有名なTOTO4枚目のアルバム。MTVが始まりだしたころ⑩「Africa」のビデオがオンエアされまくってました。 先日の記事でサイパンの洋楽専門日本語放送「KYOI」のことを書いていたら、そういえば「Africa」もよくオンエアされていたのを思い出し、改めて本作を聞きなおしていたところです。 私がリアルタイムでTOTOを初めて聞いたのは、本作の曲ではなく、この前の作品、「Turn Bac... [続きを読む]

受信: 2006年7月 8日 (土) 21時41分

» トイレではありません!? [MUSIC8089]
僕にとって TOTO の一番好きなアルバムと言えば、このファースト。 邦題 「宇宙の騎士」 (1978年)   バンドとしてのレベルの高さ、そしてインパクトの強さは圧倒的だった。えっ、これ、デビュー作なの? というぐらいの驚きだった。。。 ボビー・キンボールの声は伸びがありそれぞれの曲調によく合っているし、ジェフ・ポーカロのドラムはタイトに曲全体を引き締める。そしてスティーヴ・ルカサーのギターは唄うように奏でられ、宇宙に引き込まれるような感じがした。(笑) ルカサー最高!カッコいい!唄わせ... [続きを読む]

受信: 2006年7月 8日 (土) 22時20分

» トト [まい・ふぇいばりっと・あるばむ]
NO.00086 トトのベストアルバム『グレイテスト・ヒッツ〜』 トトは“大人のロック”って感じがします。 テクニックやメロディ、歌詞やコーラスに至るまで、もう全て計算されていて全部思い通りに出来た!みたいなまとまりを感じずにはいられません。 こう言....... [続きを読む]

受信: 2006年7月 9日 (日) 13時30分

» アフリカ:TOTO [「洋楽と美味しい水」のshigeland]
トイレに行くとよく目にする名前を持つバンドTOTO。名前の由来に、日本に来た時にどこでも目にするし、ロゴが気にいったからって噂もあったが、公式には「オズの魔法使い」に出てくる犬の名前らしい…... [続きを読む]

受信: 2006年8月17日 (木) 23時28分

» ☆ TOTO [♪ 音楽回顧録 ♪ ]
                結構、流行ったアルバム。              TOTO Ⅳ-聖なる剣  /? TOTO LPです。  1982年発売。 SODE 1 ??? ロザーナ   メイク・ビリーヴ   ホール・ユー・バック   グッド・フォー・ユー... [続きを読む]

受信: 2006年10月 9日 (月) 08時51分

» TOTO 3 [まい・ふぇいばりっと・あるばむ]
NO.01425 TOTOのセカンドアルバム『ハイドラ』(1979年) 昨日は、パチンコ負けてヤケ食いしました。 今年もダメな1年の始まりです。 さて、音楽で現実逃避です。 アルバムタイトルからして、神話的なムードが漂います。 別に悪いわけではあ....... [続きを読む]

受信: 2010年2月13日 (土) 23時15分

« Bad Day | トップページ | Eight Days a Week »