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2006年6月 1日 (木)

The Angry Americans(The Courtesy of Red White and Blue)

またまた物騒なタイトルで始まりました。

Pearl_jam28日のベストヒットUSAで、ホットメニューのコーナー打ち抜きで、Dixie Chicks “Not Ready to Make Nice” Pearl Jam “Worldwide Suicide”という、「同じ色」の新曲二つが立て続けにかかりました。

 両方とも今のアメリカに怒っている曲。

 特にディクシー・チックスのほうは、4年ぶりの新曲で、その4年の間彼女たちの身に降りかかったことへのアンサーソングだという。

 小生の本職の話ですが、英文雑誌を講読する授業をやっていて、「トビー・キースとディクシー・チックスとに分かれるアメリカ」なんて表現が出てくると、単なる音楽好きなんちゃって大学教授の本領発揮であります。

 このことは去年9月、カニエ・ウェストがブッシュ政権のハリケーン・カトリーナ後のニュー・オーリンズ救済政策を批判したということをトピックにしたときにチラッと書いて、いつかまた詳しく書こうと思っていたことです。23年前のアメリカン、ミュージック・アワードの式典の中でも飛び出していました。音楽ファンを越えて普通の人にも広がったごく普通の英会話フレーズ、といえるかもしれません。(http://radiobaka-archive.cocolog-nifty.com/bakabaka/2005/09/the_city_of_new.html

 また、11月にベン・フォールズの曲「ジーザスランド」について書いたときの、「ジーザスランド」と「カナダ合衆国」とに分断されるアメリカのことでもあります。

http://radiobaka-archive.cocolog-nifty.com/bakabaka/2005/12/jesusland.html

Dixie_chicks_taking_the_long_way番組であったように、03年のロンドン公園の際、ディクシー・チックスのリードシンガー、ナタリー・メインズは、ブッシュ大統領が同じテキサス州の出身であることが恥ずかしい、と発言し波紋を投げかける。特にカントリーの放送局からは放送ボイコット、リスナーに向けてはCD破棄不買運動が呼びかけられる。

結局カントリー・ミュージックとは、田舎、つまり共和党支持者が多い「ジーザスランド」の音楽なので、ナタリーのような立場は同じカントリー・ミュージックでありながら異質なものとして捉えられたのでしょう。

Toby_keith_greatest_hits_2_1そしてその対極にいるのがトビー・キース。彼は同時多発テロ後、ナショナリズムを鼓舞する「怒れるアメリカ人」 The Angry Americans (Courtesy of Red White and Blue)を発表した。これに対しナタリーは、くだらない、クズだ、と発言した。


トビー・キースはこれを聞き、ライブで、ナタリーとサダム・フセインの
2ショット映像を合成し、バックスクリーンに大写しにし、それを背景に歌って大喝采を浴びた。

そしてそしてナタリーは、カントリー・ミュージック・アワォード授賞式に、FUTKとプリントされたノースリーブシャツを着て舞台に上がった。つまり、Fuck You Toby Keithである(書いちゃっていいのかなあ)。

このように、ブッシュへの評価、テロ対策への評価で分裂しているアメリカを象徴するガチンコ対決を演じていた二人でしたが。

その新曲では、

Not ready to make nice, not ready to back down

あんたらと和解していい人になるつもりもない、対決から降りるつもりもない

勝手に世界を変えてしまったあんたらのいうことを聞くつもりもない

ビデオも過激でした。まだまだこの対決は尾を引きそう。

いろいろなアーティストが政治的な作品を発表するようになっていますが、そんな中で、ニール・ヤングの久しぶりの新作が話題を呼びそうです。

Neil_young_living_with_warLiving with War 戦争と生きている、というタイトルで、表題曲で戦時下の異常を歌い、なんと “Let’s Impeach the President”「大統領を弾劾しよう」という曲があり、うそつき戦争屋ブッシュをお払い箱にしようと訴え、それに続く”Looking for a Leader”「新しい指導者を探そう」という曲では、ブッシュの後、バラク・オバマ上院議員やコリン・パウエル前国務長官の名前を直接出して、黒人大統領や女性大統領の誕生を願っています。

もともとはカナダ人のニール・ヤング。ブッシュのアメリカ第一の外交政策は隣国カナダでも不評を買っており、ブッシュを嫌ったアメリカの東北部、中西部、太平洋岸とくっつけられて「カナダ合衆国」と言われるくらいですから、ニール・ヤングも必然的にそのような主張にたどり着いたのでしょう。

現在、ブッシュ大統領は、イラク情勢の行き先不透明、政権内部の不祥事、石油価格の高騰、云々で支持率が就任以来最低の水準を記録しています。

アメリカ人は相変わらず、「怒っている」ようです。

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コメント

TBありがとうございます。ニール・ヤングは 一貫性があって安心してついていけますね!!ウチのダンナはブッシュは嫌いなのですが、ビン・ラディンのTシャツをもってるので 着るなと注意してます。

投稿: 和登さん | 2006年10月31日 (火) 20時10分

和登さんありがとうございます。ニール・ヤングとレイナード・スキナードとの親交あるいは軋轢についてと、ボー・ディドリーに関して本スレに書きましたのでよろしければ。

投稿: Prof.Harry | 2006年11月 1日 (水) 02時40分

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