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2006年8月10日 (木)

Just Like Me

Dmc_checks_thugs_and_rocknroll87日のベストヒットUSAのスター・オヴ・ザ・ウィークのインタビューゲストは一人になったDMC.



Sarah_mclachlan_remix ニューシングルはサラ・マクラクランとコラボレートした
Just Like Me.

最近になって自分は養子だったことを知り、ショックを受けて精神的なダメージも受けたようですが、同じような境遇で育ったサラと意気投合し、自分たちのような人たち(just like me)は大勢いるんだ、と、自らに向けた応援歌でもあるようだ。

Harry_chapin_verities_and_balderdash この曲のサンプリングネタ、というか、ラップ部分を除いた、イントロと、サラが歌うサビの部分は、シンガーソングライター、ハリー・チェイピンの75年のナンバー1ヒット”Cats in the Cradle”からもらっている。邦題「ゆりかごの猫」だが、むしろ、「綾取り」では?

 ストーリーテラーとも渾名された人で、一曲にストーリーをこめることが得意な人でした。

 この”Cats in the Cradle”も、養子ではないけれども、親と子のすれ違いがテーマでした。

 仕事が忙しくて出産にも立ち会えなかったし、

 知らないうちに歩けるようにもなったし、言葉も喋るようになった。

 母親からパパは立派に仕事をしているのよ、と聞かされて、僕は大きくなったらパパみたいになる、が口癖になったそうだ。

 時のたつのは速いもので、知らない間に10歳になっていた。

 誕生日プレゼントにボールを買ってやった。

 「パパ、ありがとう、キャッチボールしようよ?」

 「いや、今忙しくてだめなんだ、またいつかね」

 「わかった、いいよ。僕、大きくなったらパパみたいになる」

 息子が大学から帰ってきた。

 「立派になったな。誇らしいよ。ちょっと座れ。話そうよ」

 息子は首を振って、笑って

 「ごめん、今、出かけるところなんだ。車のキー貸してよ」

 わたしは仕事から引退し、息子も独り立ちした。

 ある日、電話をかけた。

 「久しぶりに会いたいよ」

 「僕もだよ父さん、だけど時間がないんだ。新しい仕事が忙しすぎて。子供も風邪ひいてるし。でも話せてうれしいよ、父さん」

 受話器を下ろしたとき、こう思った。

 あいつ、俺そっくりになりやがった(just like me)

 子供の頃の、父さんみたいになりたい、が、その通りになるけれど、大人になると意味が逆転してネガティヴになっちゃうわけですね。

Ugly_kid_joe_collection この曲は93年、グランジロック系のアグリー・キッド・ジョーが忠実なカバーをして、トップ10ヒットになりました。

    Harry_chapin_short_stories他にも、離婚して放浪した後、ふるさとへ帰ってきて、ラジオのDJになり、今は新たな家族と暮らしているかつての妻に電波を通して語りかける“W.O.L.D.”というヒットもありました。

 


Harry_chapin_heads_or_tales ミュージシャンの夢をあきらめてタクシー運転手をしていたら、偶然、女優として成功しかかっている昔の恋人が客として乗ってきて、チップを多く渡されてプライドを傷つけられかける”Taxi”という1971年の曲。そしてその10年後の1981年のヒットで、そのタクシー運転手はミュージシャンとして成功し、そのかつての恋人を行方を追うが、彼女は娼婦になっていた、という”Sequel”「続き」。この2曲はメロディが全く同じでした。

 これら全て、彼の実体験に基づいたものなのでしょう。

 その81”Sequel”という曲をリリースした時は、彼は数年のブランクの後のカムバックだったのですが、その年の718日、トラックと正面衝突して帰らぬ人となります。

 Harry_chapin_bottom_line_collection偶然で、よく憶えているのですが、日本では当時FM東京で、夜10時から20分間「ライヴ・フロム・ザ・ボトムライン」という番組があって、その名の通りニューヨークのボトムラインで行われたいろいろなアーティストのライヴを流す番組でしたが、ちょうど7月のその週、ハリー・チェイピンの特集をやっていました。この番組のナレーションも克也さんでした。

Usa_for_africa_we_are_the_world その後、85年、USA for Africaの発起人の一人であるハリー・ベラフォンテはこういった。「ハリー・チェイピンの地道な努力なしには、We Are the Worldの成功はありえなかっただろう」

 彼は音楽以外の時間をほとんど、施設慰問など、社会奉仕、慈善事業に捧げていたのでした。

 僕は汐留局の24時間テレビとか、一連のバンドエイドものなど、寄付を募る型チャリティには批判的なのですが、そのルーツとして、このハリー・チェイピンの自分の身一つで行動した活動は尊敬されていたのであり、むしろ今のボノの活動に近いものがあったと思います。また今年も汐留局のイベントの時期が近付いてきています。http://radiobaka-archive.cocolog-nifty.com/bakabaka/2005/08/we_are_the_worl.html

http://radiobaka-archive.cocolog-nifty.com/bakabaka/2006/01/new_years_day.html

DMCは、自分が養子であることを知らなかった。彼の場合、歌詞の内容から推測するに、母親が若すぎて育てられないから里親に預けた、という事情だったようですか。

 例えば、同性愛の女性が精子バンクの精子で受胎し母親になるケース。

 父親は誰だか判らなくても、片親から愛情を注がれて育まれれば立派に成長するのかもしれない。

 逆に、血の繋がった親子でも憎みあって殺人に繋がるというニュースも少なくない。

 アメリカでは、一方では家族の倫理が強く問われ、他方ではその家族とは何かの再定義が迫られている、そんな感じがします。

                                                                        

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コメント

いつもお邪魔させていただいてます♪
今日はお詫びにあがりました(汗)
先日もTBダブってしまったばかりなのですが。。。
私のページのブックマークのところにProf.Harryさんのページを
勝手にリンクしてしまっていたのですが
こういうのはちゃんと申し込んですべきものなのですね
お友達からリンク申し込まれて初めて気がつきました
失礼をおゆるしください
事後報告になってしまいましたがご迷惑でなければ
そのままリンクさせていただきたいのですが
宜しくお願いします!

投稿: senri | 2006年10月25日 (水) 14時10分

Senriさん、トラックバック、ご報告ありがとうございます。
Senriさんのところでリンクに加えていただいているの、気がついておりました。お詫びなどとんでもない。うれしく光栄に思っております。
いくつかのブログでリンクしてもらっているので、僕のほうもお世話になっているブログを表示するリンクを作ろうと思っていたところです。ちょっと忙しくて後手に回っているのですが必ず作ります。必ずSenriさんのとこも加えさせていただきます。
繰り返しになりますが、コクのある和訳、いつも感激してよんでおります。このブログからリンクすれば歌詞を読む人も大いに参考になるでしょう。
こちらこそよろしくお願い申し上げます。

投稿: Prof.Harry | 2006年10月25日 (水) 15時25分

やさしいお返事をありがとうございます♪
お忙しいのに直ぐに丁寧なお返事いただけて、
いい方なんだなぁと感激です。

投稿: senri | 2006年10月26日 (木) 17時52分

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