Bo Diddley is Jesus
10月22日ベストヒット、タイムマシンで、“Rattle and Hum”「魂の叫び」のアルバムがイギリスのチャートで一位になった日ということでかかった、同名ドキュメンタリー映画からのU2「ディザイア」。
まだまだ記憶に鮮明の今年のヒット曲。今アメリカでは日本、イギリスと逆の順序で“Suddenly I See”が上がってきていますが、アメリカでの顔見世大ヒットとなったKT・タンストールの “Black Horse and the Cherry Tree”。僕もお気に入り、個人的に大プッシュ。
ワム!再結成を表明したジョージ・マイケル。去年の自伝映画での再会がきっかけになったのかな。今のところのソロの最大のヒット、85年の“Faith”。
60年代のスターだったニール・セダカが長い停滞時期を経て75年に「雨に微笑を」で大復活しましたが、それに続く同年の全米ナンバー1ヒットの “Bad Blood”。エルトン・ジョンとのコラボでした。
78年暮れ、KISSのメンバー四人全員がいっせいにソロアルバムを発表し、ジャケットも、一人一人の顔のアップで同じ、という企画がありました。その中で、メンバーの中では最も目立たない存在だったリードギターのエース・フレーリーがシングルで最大のヒットを出しました。イギリスのハローというグループのカバー、“New York Groove”。
だんだんマイナーになってきてますか?
来日が待ち遠しいクラプトン。オリジナルはブルースのジョン・オーティスでしたが、“461 Ocean Boulevard”のアルバムの中で“I Shot the Sheriff” と一緒にカバーした “Willie and the Hand Jive”。ベストアルバムにも収められました。
ブルース・スプリングスティーンの75年の出世作、「明日なき暴走」“Born to Run”からのアルバムカット、“She’s the One”。
Guns N’Roses、“Appetite for Destruction”の中からシングルにはならなかったけど人気のある“ Mr. Brownstone”。
最後は意外なところで、というか一番関連性が低いからなのですが、ケニー・ロギンスのご存知「フットルース」。同名サントラからの84年ナンバー1ヒット。
脈絡なく曲が並んだようですが、実は以上の曲は重要な共通点を持っています。
さて、なんでしょう?
これらの曲、リズムが同じ部分があるんです。
並んだ曲の数からわかるように、ロックで最もよく使われるリズムの一つです。
ジャ・・ジャ・・ジャ・・・ジャンジャン~
字じゃ分からないなあ。音符で表すにも変換ができなくて限界があるんだけど、♪を16分音符、/を16分休符と考えて、♪//♪//♪///♪/♪/X/、みたいになるはずです。どれでも曲を思い浮かべるのが一番。二曲思い浮かべたら、ああ、似てるな、と思っていただければ。
このリズムはボー・ディドリー・シャッフルと呼ばれます。
もちろん人の名前。ボー・ディドリーはロックの生みの親、ブルースからロックを分離した最初の世代といわれる人。
南部ミシシッピの出身。プレスリーと同時期に活躍した人で、55年には黒人として初めてエド・サリヴァン・ショーに出演しました。
彼自身の曲で有名なヒット曲があるわけではありませんが、とにかくそのスタイルで多くのアーティストからリスペクトされている。
86年にロックの殿堂入り。
The Whoも“Magic Bus”というシャッフルを使っている曲があるし、ライヴでボー・ディドリーのカバーを必ずといっていいほどやっている。
U2の「魂の叫び」も、成功した彼らの音楽的ルーツを探るドキュメンタリーであり、ボブ・ディランやB・B・キングらと一緒にやっていた。そこに「ディザイア」が納めらえているのも、彼らのボーに対するリスペクトの現れでしょう。「ディザイア」は、荒いギターのストロークにハーモニカをかぶせる形で、ボー・ディドリーを忠実に再現していたといえます。
KT・タンストールも、この間のベストヒット出演で、あの曲はボー・ディドリーに捧げる意味もあった、と言ってました。
90年代、南部からのオルタナ系で活躍していた Jesus and Mary Chain にも“Bo Diddley is Jesus”というトリビュートソングがある。
同世代がどんどん他界していく中で、78歳の彼は存命です。去年はハリケーン・カトリーナの被害救済ライブにも登場した。真っ赤な派手な服、ハットにに大きなメガネ、相変わらずの風貌でした。
最近は曾孫にも囲まれ、信心に生きているようです。彼自身が神に近づいた?
彼ほど、一つのスタイルが後続のアーティストたちに影響している例はないでしょう。
この次はどんな曲が出てくるか。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- Wake Up Everybody!(2010.02.07)
- Saturday in the Park (Part 1)(2009.08.24)
- Time Machine-1984(2009.04.24)
- (You Make Me Feel Like)A Natural Woman(2008.12.24)
- Chocolate CIty(2008.11.11)
「音楽」カテゴリの記事
- Take It Easy~All I Wanna do(2010.09.23)
- Hang’em High(2010.03.03)
- Wake Up Everybody!(2010.02.07)
- Try to Remember/ The Way We Were(2010.01.15)
- GET READY!(2009.12.16)
「U2」カテゴリの記事
- 1985(2007.09.09)
- Bo Diddley is Jesus(2006.10.27)
- New Year's Day(2006.01.04)
「ジョージ・マイケル」カテゴリの記事
- Boulevard of Broken Dreams(2007.09.28)
- 1985(2007.09.09)
- Bo Diddley is Jesus(2006.10.27)
- Freedom(2006.01.12)
- Jesusland(2005.12.08)
「エリック・クラプトン」カテゴリの記事
- Listen to the Music!(2009.11.20)
- Summer of' 78(2007.01.25)
- CRY(2006.12.01)
- Slowhand(2006.11.24)
- Bo Diddley is Jesus(2006.10.27)
「50年代」カテゴリの記事
- Hang’em High(2010.03.03)
- Old Friends(2009.08.02)
- We'll Never Have To Say Goodbye Again(2009.06.15)
- Where Have All the Flowers Gone?(2008.02.14)
- Boulevard of Broken Dreams(2007.09.28)
「60年代」カテゴリの記事
- Hang’em High(2010.03.03)
- GET READY!(2009.12.16)
- Old Friends(2009.08.02)
- Soul Man(2008.09.22)
- Nobody Wins(2008.01.25)
「70年代」カテゴリの記事
- Take It Easy~All I Wanna do(2010.09.23)
- Hang’em High(2010.03.03)
- Wake Up Everybody!(2010.02.07)
- Try to Remember/ The Way We Were(2010.01.15)
- GET READY!(2009.12.16)
「80年代」カテゴリの記事
- Take It Easy~All I Wanna do(2010.09.23)
- Wake Up Everybody!(2010.02.07)
- GET READY!(2009.12.16)
- Listen to the Music!(2009.11.20)
- Saturday in the Park (Part 2)(2009.09.28)
「エルトン・ジョン」カテゴリの記事
- Nobody Wins(2008.01.25)
- Boulevard of Broken Dreams(2007.09.28)
- Goodbye Yellow Brick Road(2007.08.30)
- A Theme from Non-Existent TV Series (2007.03.22)
- Disco Strangler(2006.12.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
おはようございます!
TBありがとうございました(^^)。
スパム対策で一度保留にする設定にしてあるので、ご迷惑をおかけしました。
ボ・ディドリー、本当に、リズムだけで、一発で彼だと分かるのはこの人だけかもしれませねえ(^^)。
TBのお返しさせていただきました。
ただ、また反映されてないかもしれません(^^;)。
それでは、よいクリスマスを(^^)!
投稿: 波野井露楠 | 2006年12月24日 (日) 09時16分
あれ?
コメントも反映されていないような…(汗)。
投稿: 波野井露楠 | 2006年12月24日 (日) 09時17分
波野井さんおはようございます。コメントTBありがとうございます。
寝正月を先取りした寝クリスマスです。
こちらこそ御迷惑をおかけいたしました。こちらも同様に、ウざいスパムがいっぱい来るので猶予期間を設けております。
それから波野井さんのところへは、ここからのTBがいっぱい言っているでしょうか?波野井さんのところへのトラックバック、相性がよいときと悪いときがあって、悪いときには実際には送れているのにURLが残ってしまっていて、記事を修正するたびに新たに送られているのかもしれません。そういう無駄な重複があったら申し訳ありません。
よいクリスマス、よいお年を!
投稿: Prof.Harry | 2006年12月24日 (日) 10時55分
TBありがとうございます。ところで、あのファンクの帝王JBが亡くなりましたね。16日はアトランティックレコード創始者のアーメット・アーティガンが逝去したし 日本人も黒人音楽を楽しむことが出来るのは 彼らのお陰ですものね! お正月はJBのライブビデオを見るつもりです。
投稿: まり | 2006年12月26日 (火) 18時37分
まりさん、コメントありがとうございます。
JBは石原慎太郎と同じ年で、そのお方もそろそろ何とかなっていただきたいです。
JBすごく近くで見たことがあります。そのこと、本スレに書いてみましたのでよろしければ。
メリークリスマス、よいお年を
投稿: Prof.Harry | 2006年12月29日 (金) 01時19分