Say It Isn't So
とりあえずは御目出度い、ドラゴンズのセリーグ制覇。
僕は自称「消去法ドラファン」なんですね。
もともと中部地方出身ではないのに今は名古屋が拠点になっている。
野球は大好きです。自分でもやってた。
小学生のころ、野球のことがいろいろわかってきて、ある時突然、なぜ自分の周りには巨人ファンしかいないんだろう、とハタと気がついて疑問を抱いた。そして子供心に、これはマスコミを巻き込んだ巨大な陰謀が渦巻いているのではないかと感じ、巨人ばっかりの野球情報に呑まれてはいけないんだ、とつっぱった。
パリーグというのはあるのは知っていたが、プロ野球知りたての頃は、セリーグとパリーグは一部リーグ二部リーグの関係にあって優劣があるんじゃないかと思っていた。70年代だから、まだ南海、阪急、近鉄、太平洋があって、2シーズン制を採っていた頃です。テレビ中継は巨人戦ばっかり、パリーグは新聞にかろうじて載るだけ、そのくらいの情報量の差があった。
ところがそうではない。二つは平等のはずだった。
注意してみていくうちに、渋くて個性的な選手がいっぱいいて、面白い野球をやっている。
そのうちに、パリーグにはまっていきました。
周りの友達が知らないチームや選手の情報をわかったつもりになっていて、ちょっと誇らしかった(このあたり、音楽に入っていった過程とよく似てる。捻くれてたからなあ。そういえば、全く同じ頃だ)。
チームとしては、一番試合を観に行けた、日本ハムファイターズのファンになりました。大学時代は後楽園が近くだったこともあり、ほんとによく行ってた。
ところが、この僕は縁あって名古屋へ。そしてファイターズは札幌へ行ってしまった。いかにインターネット時代とはいえ、それだけ距離ができてしまうと情報をフォローするだけでも大変。
セリーグに関しては、巨人でなければどこが勝ってもいい、という感じでしたので、自然にドラゴンズを応援できるようにはなりました(ちなみに私は「修正主義アンチ巨人」あるいは「ネオ・アンチ巨人」を自称してます。従来のアンチ巨人は、強い巨人が負けるとスカッとする、アンチ巨人も巨人ファンのうち、という人たちでしたが、私は、巨人の情報一極集中を是正しなければ日本の野球の健全な発展はありえない、だから巨人どんどん弱くなれ、と考えていましたから。最近は好ましい状況にある)。
そしてこの秋は、そのドラゴンズ対ファイターズの日本シリーズが観られるかもしれない。ワクワク。
さて、いつもの通り、音楽に話題を戻しますが、ここまで長々と野球の話をしたのも、今回は野球がらみだからです。
10月8日のベストヒット、ニューヨーク三部作の最後、ラジオ局は残念ながらありませんでした。
その日はAverage White Bandのオリジナルメンバー、ハミッシュ・スチュアートの誕生日、そしてリクエストコーナーではホール&オーツのSay It Isn’t Soがかかって、二週間前のこのコラムで話題にした二組と偶然一致しました。
このSay It Isn’t Soというのが、アメリカ英語では結構有名な言い回しで、ルーツが野球がらみなんです。
古く1919年のワールドシリーズ。
シンシナティ・レッズとシカゴ・ホワイトソックスとの対決でしたが。
レッズが勝利しワールドチャンピオンとなりましたが、ホワイトソックス側に大掛かりな八百長疑惑が持ち上がりました。チャンピオンシップの行方が賭けのネタになり、ホワイトソックスの選手がレッズに賭けたバイヤーから金銭を受け取った上でわざと負けていた、という。
タイ・カッブ、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリックらスターがぼちぼち出てきた頃、野球が大衆娯楽として定着しつつあった時期に、イメージをぶち壊した事件でした。
嫌疑をかけられた選手のなかに、「シューレス」ジョー・ジャクソンという名外野手、天才的安打製造機がいました。
ジョー・ジャクソンといっても、あのStepping Outの、ベストヒットに出演して、克也さんに何を訊かれても yeah か no としか反応せず話が続かなかった、あのジョー・ジャクソンではありません。当たり前ですが。
「シューレス」靴無し、でヒットを打って走ったことがあり、これは靴が足に合わなかったため仕方がなくやったことで、観客からも不評を買ったようですが、その場面のインパクトが大きく、その渾名はずっとついて回りました。
その八百長事件は、ホワイトソックスに因んで、ブラックソックス疑惑事件と呼ばれるようになり、ホワイトソックスから8人の選手が有罪判決を受け球界永久追放になりました。
ジョー・ジャクソンも金銭授受を認めました。傍聴席にいた一人の少年ファンが、”Say it isn’t so, Joe!”「嘘だといってよ、ジョー」と叫んだ、という。
この少年の話自体、事実だったかどうかはっきりしないのだそうですが、とにかくこれで”Say it isn’t so, Joe!”が流行語になり、今尚残っている、ということです。
ジャクソンは後に、裁判で認めたのはオーナーから圧力を受けたからで金銭授受の事実はない、と証言を撤回し無実を主張し続けましたが、1951年に逝去し、現在尚名誉回復には至っていません。
ファイターズには、プレーオフ第二ステージ、頑張ってもらいたい。
広島には来シーズンがありますよ、克也さん。
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