The Entertainer
「スティング」のテーマではありません。
今回のテーマ選択にはちょっとした嬉しい悲鳴がありました。どれにしようか?
Piano Manはストレートすぎる。New York State of Mind, Streetlife Serenader、どれも彼の持っている面を一言で言い表せる。
でも結局、表題の曲に落ち着きました。
なぜかというと、エンターテイナーとしての彼を再認識することができた、というのが個人的な印象だったからです。
予告どおり、ビリー・ジョエルのナゴヤドーム公演、行ってきたのでリポートしたいと思います。
彼をそこで見るのは、98年3月、エルトン・ジョンとのダブルヘッドライナーでの世界ツアー以来。あの時、克也さんはお芝居の真っ最中だったなあ。
今回は完全セットリスト形式で振り返りたいと思います。
1. Prelude/Angry Young Man (Turnstiles 1976)
自分がギターをちょっとやるせいか、ギターの速弾きにはあんまりびっくりしないんですけれどこの曲を最初に聞いたときは衝撃的だった。速いピアノのトレモロが印象的なこの曲からスタート。スタートの2曲はどの場所でも変わっていないようです。
東京、大阪、福岡、札幌ではこの曲のイントロに「さくら、さくら」が被っていたそうです。ここ名古屋では、例のピアノのオクターブで流れるイントロに「クワイ川マーチ」Bridge on the River Kuaiのメロディーが乗せられて始まりました。後で出てくる「ハートにファイア」の歌詞にでも出てくる有名な映画「戦場に掛ける橋」のテーマ曲、「サル、ゴリラ、チンパンジー」って、あれですね。
3. Vienna (The Stranger 1977)
コンサートのパンフレットで彼が書いていることを読むと、マディソン・スクエア・ガーデン以来の復活コンサートでは、自分のヒット曲と同時に、今までほとんどライヴ演奏しなかったようなレパートリーを含めて、それを場所によって入れ替えることで楽しんできた、とありました。この選曲が名古屋でのそれに当たるのでしょう。日本ではあと福岡のみで演奏されたようです。
4. Honesty ( 52nd Street)
日本でお馴染みの曲だが、アメリカでは「52番街」からの第3段シングルで、ヒットチャートとしては30位台止まりで大ヒットとは言えない。「ストレンジャー」しかり、日本人はなんと短調が好きなことか。記録を作ったマディソン・スクエア・ガーデンでの連続コンサートの模様を収めた最新の「12ガーデンズライヴ」にも収録されていない。
5. The Entertainer (Streetlife Serenade 1975)
自分を取り巻く音楽業界人の唄、この頃はパーマでもじゃもじゃしてたけどね、と、テレながらすっかり薄くなった頭を掻いてMCで笑いを取る。いいですよ、男の年輪が出ていて。克也さんも。
6.Zanzibar(52nd Street)
7.New York State of Mind (Turnstiles)
8. Miami 2017 (Turnstiles)
中盤に差し掛かりジャジーな雰囲気になっていく。「ザンジバー」なんてのも今までは演奏することは稀だったレパートリーだろう。サックス担当の若手、カール・フィッシャーは、この曲のレコードのフレディ・ハバートの演奏を聴いて楽器を始めたという。本人のバンドでその曲の演奏に参加できて感無量だろう。
克也さんが四つ目のボタンで書いていらっしゃる、彼には躁鬱の気がある、というのはよくわかる。発表してきたアルバムの全体の雰囲気に躁鬱の開きがあるし、収められた曲の中にも躁と欝がある。
元々はバーブラ・ストライサンドのカバーで有名になった「ニュー・ヨークの想い」。これには「マイ・ライフ」「ストレンジャー」(「ハートにファイア」も?)と共通したテーマを含んでいる。つまり、ニュー・ヨークを捨て、南部や西海岸に移り住もうとする自分の周囲の人々、というか20世紀後半のアメリカ全体の雰囲気だ。同じテーマでも、「マイ・ライフ」は躁で「想い」「ストレンジャー」はちょっと欝が入っているのだろう。だからもっとシリアスに演って欲しかった気もするが、曲の最後に変な低い声を入れたり、ちょっとふざけていた感じがあった。それもそれでエンターテイナーの御一興だったのだろう。
9.Allewntown(The Nylon Curtain 1981)
「ナイロンカーテン」からは唯一の選曲。「ナイロン」あたりは全体が欝な感じだ。僕個人としては、ちょっと欝が入っていたほうがいい意味で好きで、「ナイロン」からはもっと選曲してほしかったのだが。
10. The Stranger (The Stranger).
11. Just the Way You Are (The Stranger)
12. Movin' Out (The Stranger)
「ストレンジャー」三部作。実は今回一番注目していたのはこの部分でした。なぜかというと。
彼は少し前まで、7,8年の間完全にロックから遠ざかっていたわけで。クラシックのアルバムを発表したり、ライヴも行わなかった。
その前後から「素顔のままで」はほとんど演奏しなくなってしまった。
「60ミニッツ(CBSドキュメント)」に出演した折、こんなことを言っていました・
あれを演らなくなったのは、あまりにもマンネリになったからだ。
みんな、曲の合間に会話ができてしまうくらいに。
Don’t go chainging やあ、久しぶり、どうだった
to try to please me いやあ、こっちにもいろいろあってねえ
you never let me down before まったく景気悪いねえ
みたいに。
「12ガーデンズ」でも演奏されていなかった。
ところが今回はリストに入っているという。どんな演奏になるか、と注目していたのですが。
割と普通で、ふざけることなく忠実に演っていたと思いました。
13. An Innocent Man (An Innocent Man 1983)
ここまではずっとピアノ弾き語りでしたが、ここでは立ち上がってヴォーカリストとして。
躁の「イノセントマン」のアルバムからの選曲はこれだけ。いかにエンターテイナーであっても、ここでドゥ・ワップ(「あの娘にアタック」)やフランキー・ヴァリ&フォーシーズンズ(「アップタウン・ガール」)が出てきてはさすがに流れがぶち壊しになるか。
14. Don't Ask Me Why (Glass Houses 1980)
いきなりボーディドリーシャッフルが始まりました。数回前に記事に書きましたが。
あれ?彼にボーディドリーシャッフルを使った曲はあったかな、と思いましたが、レコードとは関係ない、イントロと間奏のお遊びでした。
15. She's Always a Woman (The Stranger)
16. River of Dreams (River of Dreams 1993)
90年代からの選曲はこれだけ。曲の途中に、トーケンズ、ロバート・ジョンの「ライオンは寝ている」Lion Sleeps Tonightの節を入れていました。「リヴァー・・・」は、ゴスペルというか、アフリカのリズムをまねた曲で、「ライオン・・・」も元々はアフリカのどこかの部族のチャントがモチーフになっているわけで、うまく合うわけだ。
17. Highway to Hell (AC/DC)
ここでビリーはギターを手にする。
厳粛なクリスマスソングが始まるよ、なんてMCではぐらかして。
なんとツアークルーで、ギター調節担当のでぶっちょ、リッキー・チェーンソー「糸鋸」・ラポイントがステージに上がり歌い出した。
なんとACDCの「地獄のハイウエイ」のカバー。大騒ぎ。これもここのところのライブでずっとやっていることで話題にはなっていたが。これも愛嬌と、ラストスパートに向けてビリーのエネルギーを温存させる意味もあるか。ローディースタッフをドームのステージに上げてしまうのはビリーととんねるすだけか。
18. We Didn't Start the Fire (Storm Front 1989)
19. Big Shot (52nd Street)
20. It's Still Rock and Roll to Me (Glass Houses)
21. You May Be Right (Glass Houses)
ギターを持ったまま、ロックっぽいナンバーが続き、一気にオーラスへと入っていきます。ここではもはやピアノマンではない。
22. Only the Good Die Young (Stranger)
23. Piano Man (Piano Man 1973) y T
これは一度引っ込んだ後のアンコールです。
ハーモニカスタンドを装着した時点で聴衆は何を始めるか敏感に反応する。
他の地域では「上を向いて歩こう」のメロディで始まったそうですが、名古屋ではここで「さくら、さくら」が前奏で出てきました。ハーモニカの前奏に入る前に息を切らす。
前の席の聴衆は、この時ぞとばかり、カンニングペーパーを取り出した。歌詞が書いてあるようだ。
確かに、 sing us a song, you’re the piano man, sing us a song tonight
We’re all in the mood for a melody, you got us feelin’ alright
というのはみんなで歌うにはちょっと難しいか。
エルトン・ジョンとの時もこれがシング・アロングだった。
この曲は74年の発売の時にはヒットチャートの20位内にも入らなかった。それがこれだけのシング・アロング・ソングになってしまっているのだから、たいしたものだ。
こんな感じでした。
他の地域では、 Scenes from an Italian Restaurant, I Go to Extremes なんかが差し替えで入ったようで、福岡では、ちょうど12月8日だったこともあり、「イマジン」も入れたようです。
同じ場所で見た、イーグルスのフェアウエル・ツアーを思い出してしまいました。
ヒット曲、代表的アルバムカットを詰め込めるだけ詰め込んで、長時間演る。
ビリーも、以前数年間、引退同然の活動休止状態だった。
その後で再登場し、今までの活動の集大成みたいなライヴをやる。彼も、ある程度、再度のフェアウエルを意識していたのだろうか。
エンターテイナーを満喫できたけれど、今後の彼の活動の方向がちょっと気になった、そんなコンサートでした。
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明るくてロマンチック。
もちろんOZZY(自分)の事ではなく、このアルバムの事です。(笑)
このアルバムは前作の重いテーマから180°方向性を変えた“恋するビリー”の為のアルバムです。
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受信: 2007/02/22 1:37:42
» ビリー・ジョエル 18 トラックバック まい・ふぇいばりっと・あるばむ
NO.00517
ビリー・ジョエルのアルバム『ナイロン・カーテン』
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皆様お待ちかねOZZYがパワー・アップして帰って来ました!
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1ヶ月も“音楽離れ”をしていたのでこのアルバムを聴いてまず、「あぁ、音....... [続きを読む]
受信: 2007/02/22 11:51:55
» ビリー・ジョエル 15 トラックバック まい・ふぇいばりっと・あるばむ
NO.00425
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今日(昨日)はシンドイ1日でした。
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受信: 2007/02/23 1:02:19


コメント
こんにちはー。TBどうもありがとうございました。
ほんとうにビリー・ジョエルのエンターテイナーっぷりを満喫できたコンサートでしたね。「エンターテイナー」も最近ではレアな演奏曲だったんだと思いますが、ザンジバルなどの「ちょっとマイナーな名曲」を数曲やってくれたのが嬉しかったです。
「マイ・ライフ」のイントロは大阪でも「サル・ゴリラ・チンパンジー」でした(笑)。「ハートにファイア」の歌詞にも入ってること、すっかり忘れてました。
投稿 muse | 2007/02/22 12:51:06
museさん、コメントTBありがとうございます。
2ヶ月以上たってしまって、いまさら間抜けですがやっとこちらへ持ってこられました。
大阪でもクワイ河マーチでしたか。どこかのブログで「さくら」って見たような気がして書いちゃったんですけれど、混乱してましたね。
投稿 Prof.Harry | 2007/02/22 21:09:24