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2007年5月20日 (日)

God Save the Queen

515日のベストヒットは、克也さんの日記にもあったように、最初から最後までイギリス特集でした。

また映画を観たこともあり、ここの所入ってくるいろいろなニュースからも、最近いろいろとイギリスのことを考えさせられています。

Queen_movie 映画は「クィーン」

フレディのクィーンではありません。

女王エリザベス二世の物語。

97831日。ダイアナ元皇太子妃がフランスで交通事故を起こし他界する。その後の一週間の女王の苦悩を描いた。

思い出してみれば、この日は日曜日でした。

克也さんのZIP HOT 100開始の30分前、平瀬マミさん(お元気ですかあ?これ見てますか?またお話したいです)の番組の中で第一報が入ってきました。番組のオープニングトークでも、これから四時間何のニュースが途中で割り込んでくるか分からない、見たいな緊張が伝わってきました。

若く美しく、ロックがスキだったり、庶民的感覚を王室に持ち込み、人気者だったダイアナ妃。

しかしチャールズ皇太子との関係が拗れ、離婚という形で王室を去るも、地雷禁止運動やエイズ患者慰安などのボランティア活動に取り組んで庶民性を失わず、また私生活の面でも様々な話題を提供し続けていた。

王室では、古いしきたりを破る彼女を厄介者扱いしていた。

そんな彼女の突然の死に、王室は戸惑う。

私人の出来事だとして宮殿に半旗を掲げることには反対、声明を出すことも拒んだ。当時存命だったエリザベス皇太后の葬儀シミュレーションを基本として国葬を行う方針が固まるも、ミュージシャンや映画スターを招くといった前例のない派手な内容を女王は嫌った。

そんな王室に国民は苛立ちを覚えるようになり、メディアも批判的になる。そんな国民を女王は理解できない。

そんな国民と女王の橋渡し役となったのが、その3ヶ月前、史上最年少の43歳で首相に就任したばかりのトニー・ブレア。いち早く「人々の中のプリンセス」と追悼の声明を出した彼の支持率は鰻登り。しかし大衆迎合して王室を攻撃するでなく、支持の落ちた王室を何とか擁護しようとし、半旗を掲げること、速く沈黙を破って声明を出すよう積極的に働きかける。

苦悩した女王は、事件から一週間たった95日、テレビの前に登場し、声名を読み上げる・・・

この映画で、人間としての女王、が描かれています。苦悩が頂点に達したとき、一人で車を運転し山に入ってしまう。そこで美しい鹿を見て、心を動かされる。弔問に訪れた国民からの夥しい献花、それに添えられていたカードの王室批判のメッセージを見て複雑な表情をする。

また王室も、普通の家族として描かれていたような気がしました。「ダイアナは生きていても死んでいても厄介者だ」とか、普通の人が言いそうなことを普通の英語で言っていた。

ストーリーからも分かるとおりに、もう一人の主役はトニー・ブレアだったでしょう。

ニュー・レーバーの旗手として、そのときに颯爽と登場した彼も、イラク戦争参加辺りから支持率が急降下、先週、退陣を余儀なくされました。映画に描かれた事件の後、王室の権威は反省と自己改革でやや持ち直したといわれているのに、ブレアのみが下降線を辿ったとはなんとも皮肉な話です。

また、女王とブレアの会話の中で、何度も「憲法」が話題に上がっていたことも印象的でした。

Phil_collins_hits イギリスは成文憲法を作らず、慣習法、コモン・ローを憲法としているのですが、それでも立憲主義の元祖としてそれにそれだけ敬意を払っている。国民投票をやって、有権者の過半数ではなく、より簡単に結果として投票した総数の過半数があれば憲法改正を可決できるという国民投票特別措置法が通過してしまったことも思い出され、考えさせられます。

Sandi_thom_i_wish_i_was_a_punk_rock 主演のヘレン・ミレン。初めて見たのは、フィル・コリンズ“Separate Lives”が主題歌に使われていた「ホワイトナイツ(白夜)」でしょうか。そっくりの風貌、演技で、アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞は周知の通り、他にもよくこれだけ実在の人物に似ていて演技もうまい人たちが集められたものだと感心しました。

Procol_harum_greatest_hits_2

Sex_pistols_kiss_this 克也さんの日記にも登場した、15日のゲスト、サンディ・トムの”I Wish I Was a Punk Rocker (with Flowers in My Hair)”.フラワーチルドレンの1969年とパンクロックの1977年は革命の雰囲気に満ち溢れていた。歌詞に、69年をあらわすプロコル・ハルムの「蒼い影」”The Whiter Shade of Pale”と、77年をあらわすセックス・ピストルズの”God Save the Queen”が出てきましたが、王政批判のその曲ではなく、今日は映画の女王に敬意を表して、イギリス国家としての”God Save the Queen”としましょう。

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