Pop Muzik
一発屋。
英語ではOne-Hit Wonders.
日本にもいっぱいいますね。最近「メモリー・グラス」の堀江淳さんをCMで久々にお見かけしました。
ロックの世界では、誰を思い浮かべますか?
いえいえ。
「マイ・シャローナ」は79年夏のテーマ曲。ビルボードのシングルで6週連続ナンバー1、その年の年間ナンバー1でもありました。
しかし彼らには、二枚目のシングル、「グッド・ガールズ・ドント」というのが11位にまで上ったヒットになっていて、他にもトップ40に入った曲が一つ、ホット100に入った曲が一つあります。厳密には一発屋とはいえません。
MMM-BOPは97年の夏のテーマ。それでも彼らにもWhere is the Love?のフォローアップがありましたし、最近もベストヒットに出てきたように、大人になった彼らも別の音楽性を志向してがんばっています。
今流行の、日本のレコード会社が編集したコンピレシリーズのひとつに、「ザ・一発屋」というのがあります。そのラインナップの一部を見てみますと、
マイ・シャローナ(ザ・ナック) | ||||||||
君はトゥー・シャイ(カジャグーグー) | ||||||||
ネヴァー・エンディング・ストーリーのテーマ(リマール) | ||||||||
ハート悲しく(マーティ・バリン) | ||||||||
エボニー・アイズ(ボブ・ウェルチ) | ||||||||
ジョージー・ガール(シーカーズ) | ||||||||
いつも心に太陽を(ルル) | ||||||||
ビリー・ジョーの唄(ボビー・ジェントリー) | ||||||||
孤独の影(ジョー・サウス) | ||||||||
ザッツ・ザ・ウェイ(K.C.&サンシャイン・バンド) | ||||||||
愛のディスコティック(タバレス) | ||||||||
今夜はブギ・ウギ・ウギ(テイスト・オブ・ハニー) | ||||||||
ダンシング・アメリカン(シェリル・ラッド) | ||||||||
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これらすべては、他にもう一曲以上、中ヒット以上の曲を持っているアーティストです。
まあ結局は、日本のファンにどう思われているかということなのでしょう。一発、でっかいヒットがあってそれがやたら印象に残っていて、あとは消えてしまったようなアーティストだという。
しかし、ヒットチャートファンがいう一発屋とは、そんなものではありません。本当に、ヒットチャートに記録された曲が一曲のみ、それで消えてしまった人のことを言います。
しかもその一曲が、1位を何週も続けるとかいう大ヒットだったらなお潔い。
そういうつわものが、何人かいるんですね。
まず、ヒットチャートマニアの中で真の孤高の一発屋とされているのが、 「M」。
「えむ」と読む,アルファベット一文字のアーティスト。同時に、ナンバー1ヒットをもているもっとも短い名前のアーティストという記録も持っています。
本名は確かロビン・スコットというイギリス人で、「鏡」のミラーの頭文字だ、と言っていたような記憶があります。
79年の大ヒット”Pop Muzik” “music”という綴りを捩っていたので、日本語邦題も「ポップ・ミューヂック」としゃれていました。
今、名古屋ローカルかもしれませんが、テレビCMでも流れています。
電子楽器のピコピコの音を駆使した、当時流行り始めのテクノ・ポップの初めての大ヒット曲といえます。
当時、タモリのラジオにもプロモで出演して、タモリが「ネクラ、ネアカ」を流行らせ始めていた時期だったんですけど、Mを評して「あいつは暗い」。
このM、「ポップ・ミューヂック」で見事1位を獲得、しかし二度とヒットチャートに戻ってきませんでした。
一部の音楽ファンは、Mはファルコと名前を変えて、86年に「ロック・ミー・アマデウス」を1位にして返り咲いた、などという説を唱えているんですが、それは源義経がチンギスハーンになったと言っているのと同じくらいあてになりませんね。ドクター・ボンベイじゃあるまいし。二曲とも御存知の方は、雰囲気が似ているのを察して、ニヤッとしてください。
こういうのを、本物の一発屋と言っているのです。
そして、もう一人、一位を取って二度とその名前では戻ってこなかったアーティストがいて、それが7月24日のベストヒットのリクエストでかかった、ヴァンゲリスなんです。
「炎のランナー」のテーマ、スクリーンを見ながらのピアノ演奏、よかったですね。
ところが彼がMに比べて記録にケチがつくのは、彼はイエスのメンバーと親交が深く、ジョン・アンダーソンと、ジョン&ヴァンゲリス名義でホット100に入った曲が2曲あること。
そして何よりも、彼はヒットチャートとは関係なく、「ブレードランナー」とか、テレビドキュメンタリーの、カール・セーガン博士の「コスモス」とか、美しく壮大なサウンドトラックをいっぱい手がけていること。
ヒットチャートでは図れない大きな貢献をしているということです。
それでも、ヒットチャートとは一つの統計であり、こういうオタクな楽しみ方もできる、という例でした。
サイト開設二周年、おめでとうございます。
ちょっと間を空けてしまい、時期が外れたネタで失礼しました。
本業で、何百枚も答案を読まなければいけない時期だったもので。
これからも無理のない程度にがんばらせていただきます。
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