1985
映画のお話です。
「ラブソングができるまで」”Music and Lyrics”
この映画については何か書かなくちゃ、と思っていました。
ところが、全国ロードショー公開期間は忙しくて、行こう行こうと思っていたらいつの間にか終わっていた。
先月、地元にある、全国公開は終わったけれどいい映画を続けて見せてくれる小さな映画館で上映していて、それは見ることができました。
ところがもうつい先日、DVD発売、レンタル解禁になってしまいました。
そこで、これからDVDなどで見る方たちのために。
なぜ書かなくちゃいけないかと思ったかといいますと、音楽と関係していることも勿論なんですが。
やっぱり前に観た映画と重なってしまって。
その映画の宣伝ビラだかビデオパッケージだかに、克也さん自身のキャッチコピーとして「観てごらん。こりゃまるで映画版ベストヒットUSAだ!」なんて載っていました。
劇中で出演者が演奏する曲も、バックで流れていたトラックも、80年代ポップスノンストップといった感じでした。
プロダクション的には全く関係ないみたいなんですけど、イメージがやたら被ります。
80年代ポップスがテーマであることも然り、話の筋立て然り、主演女優も同じドリュー・バリモア。主演男優も、前者がアダム・サンドラー、今回はヒュー・グラント、別人ですけど気のせいかそっくりに見えます。
「ウェディング・・・」は、ロックスターを夢見ながらも結婚式に招かれてその場を盛り上げるしか仕事がないシンガーと、式場にアルバイトに来た女の子、互いに婚約者がいながらも今一つ踏みけれないまま出会い、お互いが気になる存在になって。。。というストーリーでした。
「ラブソング・・・」はその逆で、80年代に全盛を誇った「ポップ」というグループのリーダーだったアレックス・フレッチャー。「あの日とは今どこに?」状態で、場末の遊園地のショーで歌っていたり、テレビから、80年代スターバトルの企画を持ち掛けられたり。これ、かつてのスターたちが歌い競うのだと思いきや、ティファニー、デビー・ギブソン、フロック・オブ・シーガルス、フランキー・ゴース・トゥ・ハリウッド、ビリー・アイドルなんかが本当に殴りあって勝ち残った一人が一曲だけ歌えるというナンセンス企画。
そういえばビリー・アイドルは「ウェディング・・・」の重要な場面で自身が出演していました。
この「ポップ」というバンド、80年代半ばのイギリスからいっぱい出てきた「ニュー・ロマンティック」とか言われていた、先鋭的なオシャレ、アイドル性とニューウェーヴ的音楽性を掛け合わせていたグループのステレオタイプなんですけど、僕が見たところ、A-HA、カジャグーグー、グラスタイガー、ロマンティクス辺りがモデルになっているような気がします。
アレックスが場末のショーで「ケアレス・ウィスパー」そっくりの曲を歌う場面もあり、これも大笑いです。
ところが、「ブリットニー・スピアーズとクリスティナ・アギレラを足してもそれ以上に凄い」現在の大スターのコーラが、かつての「ポップ」の大ファンだということで、新曲の作曲をアレックスに依頼してきた。他の作家との競争があるので数日で仕上げろとの注文つきで。
このコーラは、シャキーラか、ビヨンセ辺りがモデルでしょうか。シャキーラは映画のなかでコーラの友達としてでてくるのですが。今のヒップホップっぽい女性アーティストのステレオタイプとして面白い。
アレックスは作詞家と喧嘩別れしてしまいますが、部屋の花飾りを届けに来たソフィーと話していて作詞の才能があることを発見、強引に頼み込んで共同作業で曲作りをはじめます。
お決まりで、お互いを意識する関係になり。。。
二人で “Way Back into Love”という曲を作り、コーラもそれを気に入り採用が決定します。
ところが、コーラスが綺麗なバラードとして作った曲が、イントロにラップが入れられて、コーラが凝っている東洋的なメロディ、リズムも加えられたヒップホップに変えられてしまう。アレックスは、採用されたんだからそれでもいいと考えますが、ソフィーは、これでは曲のよさが伝わらないと怒ってしまい、それが原因で仲違いをしてしまう。
ソフィーがかつて、作家と不倫関係にあって、それを題材にしたホンがベストセラーになっていた、なんて話も絡んできて。
それでもソフィーが仕事の上以上の人生のパートナーとしても重要な存在だと気付いたアレックスは、彼女に捧げる曲を書き、それをゲストで招かれたコーラのコンサートの大観衆の前、ソフィーたった一人のためだけに歌う。「ウェディング・・・」でアダム・サンドラー演じる結婚式座興シンガーが飛行機の中でそうしたように。そして、アレックスとコーラのデュエットで演奏された”Way Back into Love”のアレンジはどうなっていたか。。。
この作品、今の時点での「映画版ベストヒットUSA」第二弾と言っていいでしょう。
音楽を監修したはFountains of Wayneのアダム・シュレシンジャーで、”Way Back into Love”も彼の書下ろしです。エンディングテーマは、前回もチラッと出てきた「名前のない馬」のアメリカの”Work to Do”、これもシュレシンジャーのプロデュースで、かなりいい出来と見ました。
タイトルの一曲”1985”は Bowling for Soupの3年前のヒット曲。
「ニルヴァナの遥か前に、ブルースも、U2も、マドンナも、ヴァン・へイレンも、デュラン・デュランも、ワムもいた。みんなMTVを見ていた。あの時の彼女も二人の子持ち。
でもまだ19歳の気持ちのまま、1985年にしがみついてるから」
暦年をタイトルに入れた曲, “Summer of ‘69”とか”65 Love Affair”とか60年代が圧倒的に多かったんですけれど、いきなり85年を歌う曲が出てきたときにはちょっとした感慨がありました。
そう、このとき青春時代を送っていた人は今40代で、克也さんもいつのまにか”When I’m 64”が未来形でなくなっちゃったもんなあ。
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FLOWER TRAVELLIN' BAND is Rockin' Treasure!
投稿: FLOWER TRAVELLIN' BAND is Rockin' Treasure. | 2008年2月29日 (金) 21時58分