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2007年11月 5日 (月)

Sweet Baby James (part 1?)

Sweet Baby James

113日のDJ KOBYでアーカイヴされたジェームス・テイラー。

僕も大好きなアーティストなので思い入れはいろいろあるのですが。

まず、番組内でとんでもないポカがありましたのでそこからフォローしておきましょう。

ジェームス・テイラーがソロのシンガー・ソングライターとして大成功する以前に、幼馴染で、70年代の西海岸のスタジオで欠かせない存在となるダニー・コーチマーなんかと結成していたバンドが「フライング・マシーン」。

 一曲目にかかった彼の最初のヒット曲 Fire and Rainの中にも “sweet dreams and flying machines and pieces on the ground”なんて一節が出てくるくらいです。

Flying_machine_flight_recorder  そこでかかったのが、「フライング・マシーン」の “Smile a Little Smile for Me (Rosemary)” 邦題「笑ってローズマリーちゃん」。

 ところが、この「フライング・マシーン」は、ジェームス・テイラーのいた「フライング・マシーン」とは全く関係ないのです。

 確かにややこしくてよく間違える人がいるのですが、やってしまいましたね。

 「笑ってローズマリーちゃん」の方は、イギリスのグループですが、イギリス本国ではヒットせず、196911月にトップ10入り、そして日本でも70年代初め、いわゆる「洋楽ヒット」として大ヒットしました。

 これはこの当時流行っていた、録音のためにスタジオミュージシャンを集めた、実体のない幽霊グループの一つだったんです。ショッキング・ブルー、トニー・オーランド&ドーンも最初はそうでした。

 背後に、「ローズマリーちゃん」の作者であるトニー・マコーリーという大物がいました。

 この前後にも、Foundations “Build Me Up Buttercup”とか5th Dimension “Last Night I didn’t Get to Sleep at All”とか、「刑事スタスキー&ハッチ」をちょっと取り上げた時にも書きましたが、ハッチ刑事役のデヴィッド・ソウの「安らぎの季節」”Don’t Give Up on Us”とか、良質の本流ポップスを書いてヒットをいっぱい出していた人でありました。

 そのマコーリーが「ローズマリーちゃん」を演奏させるために集めた幽霊グループだったんです。

 ちなみにマコーリーはその次の仕事として、エディソン・ライトハウスという、やはり実体のないグループをでっち上げます。

 そのグループは70年に「恋の炎」”Love Grows (Where My Rosemary Goes)”という大ヒットを放ちます。ここにも「ローズマリーちゃん」が出てきていて、「笑って」の続編とも言えました。

 日本では、ベイシティ・ローラーズに3ヶ月だけいたけど、若さとはにかみで人気のあったパット・マッグリンがカバーしたことでも有名ではないでしょうか。

Tony_burrows_love_grows  このエディソン・ライトハウスでリードヴォーカルをとったのが、トニー・バロウズというスタジオシンガーで、この人はその後、この手の幽霊グループプロジェクトを渡り歩き、70年代のヒットチャートで、最も多くの異なるグループのリードヴォーカルでヒットを飛ばしたシンガー、という珍記録を作ることになります。

 エディソン・ライトハウス「恋の炎」に続いて、Brotherhood of Man の”United We Stand”。「ともに立ち上がれ」という曲、911同時多発テロの直後にも、よくラジオで流されました。

 他に、White Plains “My Baby Loves Loving” Pipkins “Gimmie Dat Ding”など。

 そしてもう一つ有名なのはファースト・クラスという幽霊グループの「ビーチ・ベイビー」。74年に突然現れたビーチ・ボーイズのパロディバンドという感じでした。

「ビーチ・ベイビー」の間奏のホーンセクションは、85年の、Strawberry Switchblade “Since Yesterday”の中でパクられています。

Bay_city_rollers_dedication  10年くらい前に、バハ・メンがカバーしてました。

 このように、本流ポップスを産業的に売るために作られ続けた一連の幽霊グループプロジェクトでしたが、この延長線上にベイシティ・ローラーズがいたのではないか、つまり、レコードでの演奏はスタジオミュージシャンがやり、客の前ではかわいい男の子たちが演奏しているフリをして女の子たちをキャーキャー言わせる、そんな流れが次に作られたのではないか、と個人的に分析しています。

James_taylor_and_the_original_flyin  ジェームス・テイラーの方のフライング・マシーンは、James Taylor & the “Original” Flying Machine”としてCDが再発されています。

 ジェームス・テイラーの話のはずだったのが大きく外れてしまいました。ジェームスに関する話題はまだまだ続きそうな気配ですので今回はこの辺で。

 TFMの大橋さん、プロフェッサー・ハリーって私のことですよー(*)

(*)11月第一週の「小林時々日記」より

11月は余分な仕事や遊びのスケジュールが入っててかなり忙しいので、
それに備えてちょっとだけラジオの「貯め録り」。
ふだんより多めのリクエストを紹介した。
TFMの大橋ディレクターが、
この人よくメールがくるんだけど、マニアですよねぇ、
でもツボをこころえてるんですよ、いい所へ球を投げてくるんで、
2回目だけどこの曲かけちゃいますかぁ?
名前を見ると「プロフェッサー・ハリー」、阿南東也だ。
ハハーン、名古屋にいるのによくチェックしてるなぁと
ちょっと嬉しい気分だったが、
日本有数のポップス博士だと彼には説明しなかった。
どうしてそんなエライ人がリクエストなんかしてくるんだ?とかきいてくるにきまってる。
だってどう答える?
「エライけど軽いんだ」?
プロフェッサー・ハリーのことは次回大橋君と飲みに行った時のネタにしよう。

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