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2007年12月15日 (土)

I Want to Take You Higher

克也さんは、最近はビートルズに年末を感じてしまうという。

 ジョージの命日のジョンの命日がたまたま10日程度しか離れなくて、この季節になると克也さん自身でもビートルズ専門番組を持っていらっしゃる関係上、ご自分の番組でかけることも多くなるし、それでなくても追悼でラジオ、テレビからやたら流れるようになるからでしょうね。

 ビートルズもそうですが、私は同じ理由で、ファンク系に年末を感じてしまいます。

The Very Best of Booker T. and the MG's

 1127日のベストヒットUSAのタイムマシーンで取り上げられたブッカーTMGs。ドラマーだったアル・ジャクソンの命日に当たっていたということですが、彼は70年代に活躍するバーケイズというファンクバンドの創立メンバーになります。

Superfly (1972 Film)

 991226日に逝去したカーティス・メイフィールド。彼は本来はインプレッションズなんかに代表されるシカゴ(ノーザン)ソウルですが、私個人としては大ヒットした73年に大ヒットした「スーパーフライ」「フレディの死」なんていうファンクナンバーの印象が強い。

 言わずと知れた、去年1222日に逝去した、ゴッドファザー・オヴ・ファンク(ソウル?JB

Make It Funky - The Big Payback: 1971-1975

 そして本2007年には、1213日、アイク・ターナーがこの世を去ってしまいました。享年76歳。

Proud Mary: The Best of Ike & Tina Turner

 やはり彼には、以前にも書いた、ティナ・ターナーとの壮絶な結婚生活のイメージがついて回ります。

 彼が今年の1月に残している、彼の半生を顧みたような内容のインタヴューが興味深い。80年代半ば、ティナが全盛期だった頃、彼は不法薬物所持その他で囚獄されていた。

 それでも、彼は自分の人生に満足だ、といっています。半世紀近くミュージシャンとしてやってきて、作りたい音楽を作りたいように作ってきた。刑務所で過ごした時代も決して悪い思い出ではない。自分は特別扱いされていたようだ、と。

 それでも、質問がティナとの結婚生活のことに移ろうとしていることを察すると、「はい、インタの時間終わり」とさっさと切り上げてその場から去ってしまったそうです。

 彼女の自伝も読んではおらず、その映画化も観ておらず、周囲から聞いただけのようですが、自分の描写に不満で、彼女は一方的な被害者ではなく十分に暴力的だったという。

確かに映画にも、仏教に目覚めた後のティナが反抗する場面はありました。

 人間関係、特に結婚はとにかく難しい。

 このことも含めて、いずれにせよ彼は音楽の記憶と歴史に残る人でしょう。

 彼の作った音楽は、R&B,ファンクのファンからするとポップ、ロック色が濃すぎる、逆にロックから見ると黒すぎる、どうも両極端のコアなファンからは敬遠されがちだったようです。

 基本はブルースだ、といわれても、60年代前半、アイク&ティナとしてスー・レコード出て来たとき、”A Fool in Love”とか、”Shake a Tail Feather”とか、踊れるポップな曲で知られるようになった。

アルティマム・マキシマム

 ユナイテッド・アーティスツに移籍した60年代後半から70年代にかけて、ビートルズ “Come Together” ストーンズ“Honky Tonk Women” 、そして彼らを有名にしたクリー デンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)の”Proud Mary”と、積極的にロック畑の人たちの曲をカバーするようになる。このあたりが、そのような評価を生む原因になったのでしょう。

 しかし、アイクが同じ時期に最も傾倒していたのは、実はスライ&ファミリー・ストーンだったのではなかっただろうか。

Stand!

 “I Want to Take You Higher””Everybody People”なんかをオリジナルに近くカバーしていることからもそれが伺えます。

 そしてアイクは、スライが目指したファンクの新しい形、「ファミリー」に同調していたのではなかっただろうか。

 つまり、JBに端を発するR&Bからでてきたファンク、イコール黒人の男性アーティストの占有物、だったようなイメージを、スライは、ヒッピー・ムーヴメントの影響からか、バンドに白人や女性を入れてファミリーを作って、必ずしもそうではない、とでも言いたげな形を作っていた。アイクも、それを、夫婦、プラス女性バックコーラスのアイケッツ、という形でやりたかったのではなかっただろうか。

 繰り返しになりますが、壮絶だった私生活もさることながら、ミュージシャンとしても記憶と記録に残る人でしょう。

 現世より「高い世界」に行った彼に合掌。

 そして今週は、もう一人、ビッグなアーティストの訃報が入ってきました。アイクとはあらゆる意味で対極にいた人かもしれませんが。次回はその人の話になるかもしれません。

 メリークリスマス!

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