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2008年4月 2日 (水)

Ever Changing Times

またまたライヴリポートですが。

 今度はでっかい会場でビッグなアーティスト。

327日、話題のボズ・スキャッグスとTOTOのダブルヘッドライナーに行ってきました。

 もうこの連載を始めてから、ボズにもTOTOにも一度ずつ行っていて記事にしているのですが、今回はやはり特別な意味を持つのは明らかなので、改めて。

 この二組、やはり思い出すのは、ボズの76年の名アルバム「シルク・ディグリーズ」の製作のために集まったスタジオ・ミュージシャンたちが、うまく行ったので意気投合してTOTOというバンドに発展した、という有名なエピソード、克也さんが18日のベストヒットでもおっしゃっていたように、ある意味では「同窓会」です。

 さらにその同窓会に、前回来日には、自身の健康、家族の問題で姿のなかった、TOTOのマスターマインド、デヴィッド・ペイチが参加する。

 そして、TOTOはこの日本ツアーを最後に無期限活動停止に入るという。

 そのような色々な意味を持つ今回の来日、いくら大ステージ嫌いの私でもいかずにはいられないでしょう。

 会場は、国際会議用コンヴェンションホールも兼ねている箱モノ。そこを私が前回訪れた機会は、なんと本業での「学会」シンポジウムでした。同じ場所で今度はライヴを観てリポートする。ますます本業が自分でも何だか分からなくなっている今日この頃。

 開演。予想通りですが、先ずボズが出てきました。

 前回、小さな所で観た時は、ジャズのカバーアルバムを出したばかりでもあり、お馴染みの曲とジャズのスタンダードを交互に歌うという形をとっていましたが、今回は、徴収の多さ、TOTOとの競演を意識してか、全盛期の、いわゆるAORしてる曲ばかりでした。

Silk Degrees

 いきなり、最大のヒット曲であり、彼らの出会いでもある

1、Low Down

から始まりました。それから

2、Jojo

3、Slow Dancer

とお馴染みの曲が続き、「これは90年代になってからの極だけど、今楽屋に控えているデヴィッド・ペイチとグレッグ・フィリンゲインと作った曲だ」とMCが入り

4、Desire

そして、ここで「わが友、デヴィッド・ペイチに登場願いましょう」

ボズが立っていたステージ中央から左側の前面においてあっただけのキーボードにペイチが座りました。そしてキーボード・ソロが印象的な、80年のベストアルバムからの

5、Miss Sun

 そのままの編成で

6、Harbor Lights

7,   Georgia

8、We’re All Alone(二人だけ)

と、メロウに続きました。そして一応の第一部のオーラスとして「シルク・・・」からの、

9Lido Shuffle

このレコードでのペイチの、「蛙の合唱」よろしく4段に重なっていくキーボードは数ある彼の名演の中でもピカイチだと思っています。その完全な再現にはいたりませんでしたが、やはりボズとペイチが並んでいるだけで盛り上がれます。そして、最初の「ロウダウン」でも同じことを思いましたが、この日が来ると分かっていたなら、やはりジェフ・ポーカロにドラムを叩いてほしかった、と死児の齢を数えていました。

 ボズは後ろを向いたら、旋毛の辺りがスポットに当たって光っていましたね。まあ齢63。何も悪いことではありません。

 ボズたちはいったん引っ込んで、アンコールの形で再登場し、「ジョジョ」同様、前回の来日では一切省かれた「ミドルマン」からの

ミドル・マン

10、 Breakdown Deadhead

ここではついにスティーヴ・ルカサー(やっぱり前回に引き続いて出てきましたね)も登場、彼にしかできないあのイントロのリフをナマで披露し、大パーティーで、第一部を終了しました。

 セットを組み替えてTOTOの登場。

 前回のメンバーに、もちろんペイチが加わり、そしてサイドギターに新たにトニー・スパイナーが加わっている。そしてベースには、本来のマイク・ポーカロがツアー中に左手に腱鞘炎を起こして療養を余儀なくされたということで、リーランド・スクラーに替わっていました。ついにポーカロ三兄弟が一人もいなくなってしまった、ということですね。

このリー・スクラーという人、やはり70年代から、西海岸のスタジオには欠かせなかった、すごいベテランなんですけど当事から長髪、髭ぼうぼうで、座って演奏する、どこのバンドにも正式には参加せずステージには立たない、仙人みたいな雰囲気の人だったんですけれど、それが齢を重ねて長髪長髭のまま白髪になり、ますます仙人になっていました。ステージでは楽しそうに動き回っていましたけどね。今回のツアーが本当に最後だとするなら、本当の意味での、穴埋め、だったんでしょうけれど。

 やはりフロントマンはルカサー。ボビー・キンボールは自分の声の出番だけ最小限に出てきて、後は袖に引っ込んでいる、相変わらずのスタイルでした。

 彼らは特に今回の企画を意識することはなく前回のFalling in Betweenのツアーの内容を短縮した感じでした。ハードだった全アルバムの内容を引き継ぐ形で,

Falling in Between Live

1、Falling in Between

2、King of the Soul

とそのアルバムカットから始まり

Toto IV/The Seventh One

3、Pamela

“The Seventh One”からのヒット。実はアメリカのライヴでは、このレコードでリードヴォーカルだったジョゼフ・ウィリアムスがゲスト登場して歌っていて、日本にも同行するという噂があったのですが、ここではそのままボビーでした。またFalling…からの選曲に戻って

4、Bottom of Your Soul

そして次に、ベストヒットでも流れた、ライヴ用にちょっとアレンジを変えた

5、Rosanna

ファーストアルバムからのヒット曲

宇宙の騎士

6、I’ll Supply the Love「愛する君へ」

ところがここで、中央真後ろで元気にキーボードを弾く、というより叩いていたペイチが退場してしまいました。グレッグがふざけて弾くシェリル・リン”Got to Be Real”(ペイチの名演の一つであります)のリズムにスキップして。ルカサーも「もう会場から出ていっちゃったよ」と冗談めかしましたが、本当に二度と登場することはありませんでした。

 ルカサーがここで「またハードにやろうぜ」と掛け声をかけて、比較的後期の代表曲

7、Isolation

8,  Kingdom of   Desire


 そしてそろそろオーラスのシングアロングで

9、Hold the Line

そしてそして最後は

10、Africa

 前回同様グレッグがリードヴォーカルをとり、最後のフェイドアウトで、ボビー、トニー、リー、ルカサー、ドラムのサイモン・フィリップスの順に演奏をやめて消えていきました。

 本当に最後の最後のアンコール、TOTOが全員再登場し、これにボズが加わり、「我々は全て、助け合ってきた友達」ということで、演ったのはWith a Little Help from My Friendsでした。ジョー・コッカーがカバーしたゴスペル風のアレンジで。しかしここでもペイチは帰ってきませんでした。

 こんな感じで、余韻を残したまま、大体私が平均年齢くらいの客層は会場を後にしていきました。

 私の世代、この手の音楽が好きな人にはたまらない一夜だったでしょう。

 ただ、私が一つ得た感想とは。

 これはTOTOの活動停止ではなく、実際はデヴィッド・ペイチの完全引退興行ではなかったのか、ということでした。

 最後に、自分のスタートラインであった、ボズと競演したかったし、初めて本格的なツアーをした日本は記念するべき場所だった。だから、色々な問題をクリアして参加し、ボズと同じステージに立った。しかし肝心のTOTOの一番盛り上がる部分でそのまま姿を消してしまい、「アフリカ」を演ったのに、なぜ彼がリードヴォーカルをとらないのか。

このあたり、どうも彼は二度とステージに立ったり、録音に参加したりすることはないのではないか、と感じてしまいました。

 その他の人たちは、もともと名前が出来上がっていた凄腕ミュージシャンの集まり、TOTOとして活動しなくても仕事はどんどん来るでしょう。

象徴的なのはルカサーで、彼はソロアルバムとしては11年ぶりのEver Changing Timesを、日本向けですがリリースしたばかり。彼は今までソロアルバムではジャズをやってみたり、TOTOとはかけ離れた音楽を好き勝手にやっていたのですが、今回はTOTOの音を自分一人が引き継ぐのだ、とでも言いたげな、あらゆる時代のTOTOの音を総合したような作りになっています。最近このコラムによく出てきますが、クリントン前大統領、その細君の現大統領候補クリントンの共通の友人であるソングライター、ランディ・グッドラムとのコラボになっています。

Ever Changing Times 諸行無常。全てのものは変わっていく。ある人はやめていき、ある人は別の道を模索する。いつまでも、昔の名前では出ていられない、ということですね。

下は、そのギター速弾が得意なパパイヤ鈴木ことスティーヴ・ルカサーのCD宣伝用ポートレートにはいった、イニシャルしか入れていない手抜きサイン、右は10年前にもらったボビーのサインです。

Steve_lukather_ever_changing_times Bobby_kimball

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