Heat of the Moment (part 2)
また一ヶ月後れのライヴリポート。
今回はエイジアASIAです。
これも登場は二回目、と言いますか、一年半前の前回はジョン・ウェットンとジェフリー・ダウンズが、二人の若いサポートミュージシャンを従えて、こぢんまりとしたライヴハウスで演ったものでした。その折に、先ずジョンとジェフが、自分たちの音楽性が合うことを再確認して意気投合してユニットを結成、「ルビコン」という新作CDも発表した、と書きましたが、その時既にスティーヴ・ハウ、カール・パーマーを加えた、デビュー、全盛期のラインアップでの再結成ツアーが計画されていて、それはその半年後の一年前に実現され、その時既に一度目の来日ツアーが実現していました。
その後彼らは新作のレコーディングに入り、このオリジナルラインアップとしては1983年、2枚目の ALPHA 以来25年ぶりとなる”Phoenix”「不死鳥」を発表、それを引っさげての再来日列島縦断ツアーとなりました。
この四人が揃うとやっぱりすごい。ASIA(一枚目)からALPHAに繋がった産業ロックの音に重厚さを加えた音を作ってきた。アルバムジャケットデザインは、不死鳥というより、東洋的な感じで、最近中国で体の形が崩れていない状態の化石が発見され、恐竜から鳥類への進化の証拠となった羽毛恐竜の「中華竜鳥」のレプリカのイメージだなあと思ってしいました。
ちなみにその後のエイジアは、先ずスティーヴが脱退し、ウェットンも抜け、それからグレッグ・レイクなど色々プログレの周辺の人たちが出たり入ったりして、90年代にはダウンズ一人になってジョン・ペインを従えてエイジアの名前を守り続けた(更にちなみにそのペインは現在も ASIA feat. John Payne として90年代のエイジアを別の流れで引き継いで活動しており、これも本家対傍流の南北朝状態になっている)のですが、その間 ASTRA, AQUA, AURORA, ARIA, ARENA, AURA, ARCHIVAと、CDタイトルはエイジアにちなんでAに始まってAに終わる単語に拘り続けていました。AporiA (疑念) AmnesiA(健忘症)ArachnophobiA(蜘蛛恐怖症)なんて候補に挙がらなかったのかな。
公演日はなんと日曜日だったので、夕方4時半開場5時開演という、まだ陽の光が輝く中でのスタートでした。洒落ていたわけではないでしょうが、一曲目は
1Daylight (ALPHA)
でした。
2 Only Time Will Tell (ASIA)
でかいドラ、ゴングが付いているカールのドラムの背後には大きなバックスクリーンがあり、コンサートの間中、演奏中のメンバーをクロースアップし、電光を絡めたりして演出をしていましたが、この曲のバックでは、ゴドレイ&クリーム製作の、メンバーが移っているテレビの台の間を器械体操する例のビデオクリップがシンクロされました。
3 Wildest Dreams (ASIA)
ここではそのスクリーンにその「中華竜鳥」のCDジャケットが大写しにされ、スティーヴがニューアルバムの宣伝、それからの曲だよ、ってことで、
4 Never Again (PHOENIX)
ジェフリーが、さて、今晩はいくつか特別企画があるよ、我々のエイジア以前の曲もやる、とのMCがあり、先ず最初は
5 Roundabout
スティーヴのいた初期のイエスの、72年のヒット曲。コンセプトアルバム作りが中心だったプログレの王道を行っていた彼らにしては珍しいシングルヒット、それでも名曲の誉れが高い。ジョン・アンダーソンのしゃがれた高い声ではなく、ウェットンの低音の野太い声で歌われると拍子抜けしますが。スティーヴも白髪でガリガリになって、少し腕が落ちたかな、アウトロのアコースティックギターでちょっとミスりました。
6Time Again (ASIA)
7 Voice of America(ASTRA)
8 Smile has Left Your Eyes (ALPHA)
彼らにとってたった4曲のトップ40ヒットの最後、最高位37位。またバックにビデオが流れました。彼らがフランス短編映画に音楽を入れている設定で、仲たがいして別れた夫婦の娘が悲しんで、夫の下から連れ去ろうとする母親の車を一人で飛び出し、橋から落ちて死んでしまう悲劇。しかしその娘の実物が彼らの録音スタジオのドアに立っていて、微笑を取り戻す、というストーリー。その短編映画部分が流されました。
9 Ride Easy (AURORA)
10 Open Your Eyes (ALPHA)
11 Fanfare of a Common Man
今度はスティーヴがカールを紹介し、エマーソン、レイク&パーマーのこの曲をやりました。「展覧会の絵」とならぶ、クラシック調プログレインストの名曲でした。もちろんポイントはキーボード、シンセサイザーですが、ジェフリーは例によって2,3台のコンピューターで制御されたキーボードの壁に三法を囲まれて縦横無尽に演奏していましたから、現在の技術でできる最高のカバー、という感じでした。カールの長いドラムソロでも、お得意のスティック空中回転キャッチを何度も披露してました。
11 Without You (ASIA)
12 An Extraordinary Life (Phoenix)
また中華竜鳥のジャケットが大写しになって、ニューアルバムからもう一曲。
13 Court of the Crimson King
ジェフリーがジョンを紹介し、ジョンが居たキング・クリンゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」を演りました。これは本人のヴォーカルでしたから、全く違和感がありませんでした。
14 Video Kills a Radio Star
ジョンがジェフリーを紹介し、バグルスの、あの曲、を演ってくれました。MTV放送開始の記念すべき第一曲目を飾った、音楽と映像が融合する時代を予見した象徴的な曲。しかしやっぱり、ジェフは一番ポップだ。ポップだと悪口を叩かれるエイジアの一連の曲と並べてもその上を行くポップさ、しかもこれもジョンのヴォーカルでちょっと違和感を感じました。しかしこれが一番受けていた感じ。
15 the Heat Goes On (ALPHA)
16 Heat of the Moment (ASIA)
そして終わりに近づいてもう一発の盛り上げ、HEAT繋がりの二曲を続けて。最後の”…Moment”では、あの有名な16分割画面がどんどん変わっていくビデオがバックでシンクロしながら流れ、観客総立ちの中、一旦引っ込みます。
17 Don’t Cry (ALPHA)
18 Soul Survivor (ASIA)
再び登場してのアンコールは、もう一曲のトップ10ヒットと、ファーストの中でも一番いいとの評価の高い曲でまた総立ちで締めくくり。
25年ぶりに集った、80年代スーパーグループの代表格、まだまだこのまま活動を続けるようです。
さすが日曜日。7時過ぎに全過程が終了、8時前に帰宅でき、「篤姫」を冒頭から観ることができました。
ジェフとジョンのサイン入りのベスト盤のジャケットです。
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