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2008年6月15日 (日)

Heat of the Moment (part 2)

また一ヶ月後れのライヴリポート。

 今回はエイジアASIAです。

 これも登場は二回目、と言いますか、一年の前回はジョン・ウェットンとジェフリー・ダウンズが、二人の若いサポートミュージシャンを従えて、こぢんまりとしたライヴハウスで演ったものでした。その折に、先ずジョンとジェフが、自分たちの音楽性が合うことを再確認して意気投合してユニットを結成、「ルビコン」という新作CDも発表した、と書きましたが、その時既にスティーヴ・ハウ、カール・パーマーを加えた、デビュー、全盛期のラインアップでの再結成ツアーが計画されていて、それはその半年後の一年前に実現され、その時既に一度目の来日ツアーが実現していました。

Phoenix

 その後彼らは新作のレコーディングに入り、このオリジナルラインアップとしては1983年、2枚目の ALPHA 以来25年ぶりとなる”Phoenix”「不死鳥」を発表、それを引っさげての再来日列島縦断ツアーとなりました。

 この四人が揃うとやっぱりすごい。ASIA(一枚目)からALPHAに繋がった産業ロックの音に重厚さを加えた音を作ってきた。アルバムジャケットデザインは、不死鳥というより、東洋的な感じで、最近中国で体の形が崩れていない状態の化石が発見され、恐竜から鳥類への進化の証拠となった羽毛恐竜の「中華竜鳥」のレプリカのイメージだなあと思ってしいました。

Astra

 ちなみにその後のエイジアは、先ずスティーヴが脱退し、ウェットンも抜け、それからグレッグ・レイクなど色々プログレの周辺の人たちが出たり入ったりして、90年代にはダウンズ一人になってジョン・ペインを従えてエイジアの名前を守り続けた(更にちなみにそのペインは現在も ASIA feat. John Payne として90年代のエイジアを別の流れで引き継いで活動しており、これも本家対傍流の南北朝状態になっている)のですが、その間 ASTRA, AQUA, AURORA, ARIA, ARENA, AURA, ARCHIVAと、CDタイトルはエイジアにちなんでAに始まってAに終わる単語に拘り続けていました。AporiA (疑念) AmnesiA(健忘症)ArachnophobiA(蜘蛛恐怖症)なんて候補に挙がらなかったのかな。

Alpha  公演日はなんと日曜日だったので、夕方4時半開場5時開演という、まだ陽の光が輝く中でのスタートでした。洒落ていたわけではないでしょうが、一曲目は

Daylight (ALPHA

でした。 

2 Only Time Will Tell (ASIA

でかいドラ、ゴングが付いているカールのドラムの背後には大きなバックスクリーンがあり、コンサートの間中、演奏中のメンバーをクロースアップし、電光を絡めたりして演出をしていましたが、この曲のバックでは、ゴドレイ&クリーム製作の、メンバーが移っているテレビの台の間を器械体操する例のビデオクリップがシンクロされました。

Asia

3 Wildest Dreams (ASIA

ここではそのスクリーンにその「中華竜鳥」のCDジャケットが大写しにされ、スティーヴがニューアルバムの宣伝、それからの曲だよ、ってことで、

4 Never Again (PHOENIX

ジェフリーが、さて、今晩はいくつか特別企画があるよ、我々のエイジア以前の曲もやる、とのMCがあり、先ず最初は

Fragile

5 Roundabout

スティーヴのいた初期のイエスの、72年のヒット曲。コンセプトアルバム作りが中心だったプログレの王道を行っていた彼らにしては珍しいシングルヒット、それでも名曲の誉れが高い。ジョン・アンダーソンのしゃがれた高い声ではなく、ウェットンの低音の野太い声で歌われると拍子抜けしますが。スティーヴも白髪でガリガリになって、少し腕が落ちたかな、アウトロのアコースティックギターでちょっとミスりました。

6Time Again (ASIA)

7 Voice of America(ASTRA)

8 Smile has Left Your Eyes (ALPHA)

彼らにとってたった4曲のトップ40ヒットの最後、最高位37位。またバックにビデオが流れました。彼らがフランス短編映画に音楽を入れている設定で、仲たがいして別れた夫婦の娘が悲しんで、夫の下から連れ去ろうとする母親の車を一人で飛び出し、橋から落ちて死んでしまう悲劇。しかしその娘の実物が彼らの録音スタジオのドアに立っていて、微笑を取り戻す、というストーリー。その短編映画部分が流されました。

9 Ride Easy (AURORA)

10 Open Your Eyes (ALPHA)

The Essential Emerson, Lake & Palmer

11 Fanfare of a Common Man

今度はスティーヴがカールを紹介し、エマーソン、レイク&パーマーのこの曲をやりました。「展覧会の絵」とならぶ、クラシック調プログレインストの名曲でした。もちろんポイントはキーボード、シンセサイザーですが、ジェフリーは例によって2,3台のコンピューターで制御されたキーボードの壁に三法を囲まれて縦横無尽に演奏していましたから、現在の技術でできる最高のカバー、という感じでした。カールの長いドラムソロでも、お得意のスティック空中回転キャッチを何度も披露してました。

11 Without You (ASIA)

12 An Extraordinary Life (Phoenix)

また中華竜鳥のジャケットが大写しになって、ニューアルバムからもう一曲。

In the Court of the Crimson King

13 Court of the Crimson King

 ジェフリーがジョンを紹介し、ジョンが居たキング・クリンゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」を演りました。これは本人のヴォーカルでしたから、全く違和感がありませんでした。

The Age of Plastic

14 Video Kills a Radio Star

 ジョンがジェフリーを紹介し、バグルスの、あの曲、を演ってくれました。MTV放送開始の記念すべき第一曲目を飾った、音楽と映像が融合する時代を予見した象徴的な曲。しかしやっぱり、ジェフは一番ポップだ。ポップだと悪口を叩かれるエイジアの一連の曲と並べてもその上を行くポップさ、しかもこれもジョンのヴォーカルでちょっと違和感を感じました。しかしこれが一番受けていた感じ。

15 the Heat Goes On (ALPHA)

16 Heat of the Moment (ASIA)

 そして終わりに近づいてもう一発の盛り上げ、HEAT繋がりの二曲を続けて。最後の”…Moment”では、あの有名な16分割画面がどんどん変わっていくビデオがバックでシンクロしながら流れ、観客総立ちの中、一旦引っ込みます。

17 Don’t Cry (ALPHA)

18 Soul Survivor (ASIA)

 再び登場してのアンコールは、もう一曲のトップ10ヒットと、ファーストの中でも一番いいとの評価の高い曲でまた総立ちで締めくくり。

 25年ぶりに集った、80年代スーパーグループの代表格、まだまだこのまま活動を続けるようです。

 さすが日曜日。7時過ぎに全過程が終了、8時前に帰宅でき、「篤姫」を冒頭から観ることができました。

 ジェフとジョンのサイン入りのベスト盤のジャケットです。

Asia_definite_collection

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2008年6月 2日 (月)

1973

 

 ちょっと体調を崩してしまったり本業(って何?)で忙しかったりで間を空けてしまいました。ネタがなかったわけではありません。ちょっと貯まってしまいましたので、吐き出していこうと思います。時期が外れてしまうことをご海容ください。

 そこで果てしなく続くライブレポート。

 今回は五月初めのジェームス・ブラントです。

 彼を見たのも二回目。前回は小さなライブハウスのオールスタンディング。今回は地元でも知られている大人数収容の会場。

 前回の二年前から大きくなって帰ってきた訳ですが、結果的な感想から申しまして、その大きくなったというのはいい意味も悪い意味も含んでいるわけで、彼はよりアイドルになった、その代償として、以前持っていたメッセージ性がやや薄れた、そんな印象を持ちました。

Back to Bedlam

 大きくなったといっても、その二年前のデビューアルバム Back to Bedlamが大成功し、現在はニューアルバム All the Lost Soulsが出たばかり。まだそれほど引き出しが多くあるとはいえません。当然のことながらその二枚からの選曲が全てを占めることになりました。

 ファーストアルバムのジャケットにあったような、エキゾティックな影絵を連想させる模様が施された黄色く薄暗いカーテンの裏から,静かなアコースティックギターのストロークと彼の歌が聞こえてきて、曲にドラム他の楽器が絡む瞬間にカーテンがバサッと落とされ、ギターを持った彼とバンドメンバーが見えて、キャーッ。

1 Give Me Some Love (二枚目、以下Souls)

2  Billy (一枚目、以下 Bedlam

3  High (Bedlam)

    シングルカットされて、サビの部分での「ハ~イ」という彼のはいトーンが耳に残る曲ですね。

All the Lost Souls

4 I Really Want You (Souls)

5 Carry You Home (Souls)

6 I'll Take Everything (Souls)

  この中盤あたりではニューアルバムの曲をまとめて。前作は、例えば70年代だったらブレッドのデヴィッド・ゲイツのような、高い声で甘いバラードを歌う男性シンガーという印象が強かったですが、新作では、UKソウルで活躍中の人と共作するなど、畑違いの人とのコラボが割りと多く、楽曲にバラエティを持たせようとしているように思えます。

7        Goodbye My Lover (Bedlam)

    この曲は、「ビューティフル」の次にみんなで歌える曲。大合唱でした。

8        No Bravery (Bedlam)

前回見た時には、この曲のバックに、彼が経験したボスニア紛争の様子がスクリーンに映し出されたのですが、今回はそういう演出は見られませんでした。

9 Annie (Souls)

10    Coz I Luv You (Bedlam)

この曲の最中に、ステージ向かって左手から客席に下りてきて、ぐるっと客席を駆け足で一周し、右手からあがっていきました。こういうライヴに慣れていないせいか、このあたり、全く同じことをしてすごくアイドルアイドルしていたダニエル・パウターと同じ印象を持ってしまいました。

11    You're Beautiful (Bedlam)

  出てきましたね。やっぱりまだまだ、彼といえばこれです。レコードよりも長く長く、盛り上げてお決まりの大合唱。この世界的大ヒットを、彼自身で乗り越えられる日が来るか?

12 Shine On (Souls)

13 Out of My Mind (Bedlam)

14 Wisemen (Bedlam)

15 So Long Jimmy (Bedlam) –

  彼も今のところ、人名をタイトルにした曲が多いですが、「さよならジミー」とは、ライブの最後にやることを狙ったものとしか思えない。いったん全員引っ込んで、

16 One of The Brightest Stars (Souls)

17 Same Mistake (Souls)

18 1973 (Souls)

  今ヒット中の1973は、アンコールの最後の最後に出てきました。彼が70年代の街並みを歩きながら歌う、あのビデオクリップが映し出されながら。前作の大ヒット以来、彼の環境は一変しましたが、その中でより70年代の音楽への傾倒が強くなり、この頃の曲ばかり聴いていたそうです。ソングライターたちが一瞬を一瞬として捉え音楽に表現していた時代、アルバムが、一曲一曲がばらばらではなく一つのアルバムとして作られていた時代、その時代に慕情を抱いて作った曲。

 僕はシンガーソングライターブームのピークは72年だったと思っていますが、カーペンターズの全盛期、後に70年代最大のアーティストとなるエルトン・ジョンがブレイクし、西海岸サウンド、ディスコがぼちぼち出てきた73年、最も70年代らしい年だったのかもしれません。

 繰り返しになりますが、ボスニア平和履行軍に従軍した経験から来るメッセージ性、曲のナィーヴさが薄れた分、音楽性が多様になった。そんな、ファーストからセカンドへの変化を象徴するような、大きくはなったけれども少しアイドルになった、そんな印象のコンサートでした。これが長い目で見て吉と出るのか否は、いまだ定かではありませんが。

 「ビューティフル」の頃は、新世代シンガーソングライターのちょっとしたブームで、彼はその先頭に立っていた観がありました。その彼もニューアルバムを発表、同時にギャヴィン・デグロウ、ダニエル・パウターらも新作を発表してきましたが、どのように受け入れられるでしょうか。

 会場でグッヅを購入した先着何名かが貰えた、直筆サインです。

 ライブレポートはまだまだ続く・・・ 

James_blunt_autograph

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