久々に本業がらみの話。
この土日はセンター試験で、この冬も受験シーズン本番突入といった感じです。
かく言う私も、土日丸々監督に借り出されました。ZIP HOT 100も放送と同時進行では聴けませんでした。
この試験監督という仕事は苦痛です。本、新聞、雑誌の持ち込み禁止。自分が読みたいものも読めない。小型パソコンやラジオ、その他機械類も持ち込んではいけない。キーボードをカタカタさせたりシャリシャリとヘッドフォン漏れなんかがあったら、その場で受験生に注意されるか、終了後に大学に苦情が来て、犯人探しが始まってしまう。試験の最中に受験者の間を歩くのにも靴音が響かないよう注意する。手を上げた受験生の要求には、机から落ちて転がった消しゴム拾い、なんてこともやる。まさに受験生のしもべ、ホテルマンにでもなった気分です。
居眠りも、注意しなければなりません。鼾をかいたら、やっぱり注意や苦情が来るからです。でも、これだけやることが制限されてただひたすら受験生の様子を見るだけだし、暖房でじわっと暖かくなってきますから、睡魔との壮絶バトルになります。
そこで、暇つぶしといったら受験生に申し訳ないのですが、会場内で唯一みることが許される印刷物、その時間の試験問題を解くことが無二の眠気覚ましとなります。
そこでまた気がめいる。よくこんな問題がかつて解けたものだなあ、と。
英語は、いまだに満点取る自信はあります。でもこれは普段から使って慣れているからですね。僕の同業者でも、専門分野にかかわりなく、誰でも一番できるのは英語だそうです。
社会科。一番の専門のはずなのに、自分の専門が近い分野や現代に関することの問題はまあいけるけど、後はまったく記憶のかなた。
数学。最初の数問の計算式穴埋め問題はクイズとしてやりがいがある。中盤以降は全く駄目。
国語。現代文は問題が長いし、古文もちんぷんかんぷん、読みたくない。最初の数問の漢字書き取り穴埋め問題を、やはりクイズとしてやるだけ。
理科。問題冊子の表紙を見るだけ。中を開いてもどうせわからない。
こんなもんです。
先々週のZIPのギャグコーナーは、センター試験中に受験生がいろいろな音を次々に出すというネタでしたが、克也さんも百も承知でしょうが、実際にはあんなことは起こりません。受験生の時計や携帯が音源オフになっているかどうか、試験前に厳重にまわってチェックします。何しろ科目と科目の間が50分もあるんですから。もしそれでも音が出たら、その受験生の受験は一時的に中止され、継続の可、不可の判断を全国の本部(センターですな)に委ねることになります。
それでも今年は、英語にリスニングが導入されて、僕の会場はたいした問題はなかったですが全国的にはトラブル続出だったようで。僕は実はあの予行実験に参加させられたのですが、50万個のICチップとプレイヤーを配るなら、そのうちの何パーセントかは故障しているだろう、機械なんだから、と思っていたら案の定でした。会場の上を飛ぶ飛行機や選挙宣伝カーの騒音で集中できなくなったり、トラブルの対処が監督者によって異なったり、他にも混乱があったようで。英語を、読み書きを超えた練習をすることはいいことですが、今後いろいろ考えなければならないようです。
後で録音で聴いたZIPのオープニングで、克也さんの受験生時代について話しておられました。「受験生だというだけで、夜中3時くらいまで起きていた、それでも勉強してたわけじゃなく、なんとなく。それで睡眠不足で、最初の受験日はふらふらだったけど、なぜかそういう日だけ一発で受かった。その後、睡眠不足が何十年起っても続いている・・・」
補足で、去年から何度か引用している21年前のアルクのインタビューから、受験生小林克也、をばらしてしまいましょう。
問:中学のころとか、英語の成績はよかったんですか?
克:一番できましたよ。高校でも一番でした。他の科目は全部駄目でしたけど(笑)。中学のときは、僕の一つのクライマックスで、全校で一番でした。
問:成績が張り出されたんですか?
克:学年で、他の科目も入れてね。英語ができたから、それが自信になったんじゃないか、と思うけれども。英語の成績がよかったから相当優越感がありましたね。だから他の科目にも余裕があって、得意じゃなかったけどできましたね。
問:なるほど。それで、なぜK大の経済学部にお入りになったんですか?
克:それはね、どういうことかというと、最初はH大に行きたかったんです。
問:そうですか。
克:でも、さっきも言ったように成績悪いでしょ。
問:英語を除いて、ですか。
克:ええ。K大の経済は、確か英語と何かの2科目か3科目だったんです(笑)。一番少ないでしょ。W大の政経を落ちたし、H大もG大も落ちたし。
問:そうだったんですか。
克:はい、みんな落ちたんですよ。中学時代の僕はすごい勉強小僧だったんだけど、高校時代は、英語の歌を聞いたり歌ってた時代だったんですよ。僕らのころはドリス・デイやフランク・シナトラがはやってたんだけど、高校1年のときにいきなりロックンロールを聴いてしまったんです。
問:プレスリーが出てきたころですか?
克:ええ、プレスリーを初めて聞いたのはFENでした。まだ名前も聞き取れないんですよ。でも今までの歌とぜんぜん違うんですね。それまでの歌は聞き取れたのに、今度はぜんぜん聞き取れない。なのに聴いててすごく気持ちがいいのね。それで、そういうのを探すラジオっ子になって。短波ラジオを買ってもらったりして・・・
みな、通ってきた道なのです。
(Remember the Days of the) Old Schoolyardは、ユサフ・イスラムことキャット・スティーヴンスの77年のヒット。
受験生の皆さん、今は将来が決まらない不安や、得意ではないものを無理やり勉強させられる苦痛はあるかもしれません。でも、その後の人生もそんな不安続きですし、むしろ受験を乗り切った自信みたいなものがその後の糧になっていくと思います。それに、今ほど大学に入りやすい時代はありません。羨ましいです。
リラックスしてがんばってください。
今振り返ると、受験勉強、あまり真面目にやらなくてよかったと思う。しかし、若い頃にもっといろいろな本を読んで勉強しておけばよかった、と反省することもまたしきり-小林
最近のコメント