(You Can Still) Rock in America!
古いアーティストばっかり登場しますね。新しいのにも行こうとしているのですが、例えばこのナイトレンジャーと同じ場所でやるはずだったスノーパトロール。一度予定されていた講演が延期になってしまい、その延期講演が更に延期になってしまいました。外に出ようとするとメンバーに怪我とか病気とか、必ず何か起こるバンドだそうで。
さて、ナイトレンジャー。
東京では渋谷CCレモン公開堂(笑っちゃう名前だなあ)、大阪でも割と大きな会場でやったようですが、ここではライヴハウス。間近で見られて得した気分。しかしオールスタンディング、仕事帰りだったので、満員熱気ムンムンだったフロアの後ろのほうになってしまいました。
このナイトレンジャー、ルーツを辿っていくと面白い。なんとファンクの帝王、スライ&ファミリーストーンに繋がります(数週間後、DJ Koby‘s Radio Showで特集があるみたいです、乞うご期待)。このスライ&ファミリーストーンのメンバーだったジェリー・マーティニが70年代後半、ルビコンというグループを作りますが、そこで後にナイトレンジャーを結成することになる、ベース、ヴォーカルのジャック・ブレイズ、ドラム、ヴォーカルのケリー・キーギー、ギターのブラッド・ギリスがこのバンドで出会っているんですね。
僕はなんとこのルビコンというバンドのCDを持っているんです。基本はさすがスライ譲りのファンクなんですけど、”I’m Gonna Take Care of Everything”という、ソウルバラードのシングルを、78年、ビルボードで30位くらいのマイナーヒットを放っているんです。この曲が好きで持っているんですけど、こんなの持っている人、他にいるかなあ?それがまさかナイトレンジャーに大化けするとは。
ナイトレンジャー、80年代にヒット曲は割と多かった。コアなファンもいたけど、ただヒット曲しか聴かない、という人たちでは評価が分かれていた、そんなバンドだったような気がします。
忠実なフォロワーはHR/HMバンドとして評価している。しかしヒットした曲はバラードだったりポップだったり、そういうのを聴いた人には同じ時代の、ジャーニー、フォリナーあたりの、売れるためのロック、所謂「産業ロック」の括りにされてちょっとバカにされている。
実際、彼らもこの二つのイメージの板ばさみにあい、特にレコード会社から売れることを要求されたためグループの中でも対立が起こり、88年に一端解散状態になってしまいますが、96年に上の三人のオリジナルメンバーを中心に再結成、CDも発表し、ライヴもコンスタントに行い、来日も三年ぶりになります。
ライヴは、お馴染みの曲を全て網羅しながらも、自分たちはHR/HMだ、とでも言いたげな構成でした。
しょっぱなからディープパープル「ハイウェイ・スター」のフレーズを曲中に挿入してみたり。
Touch of Madness
Sing Me Away
「マイケル・J・フォックスから電話がかかってきて、僕の映画のために曲を書いてほしいんだ、って言われたから、俺たちはすぐギャラはいくらと聞き返したんだよ」という冗談のMCがはいって
When You Close Your Eyes
シートが用意されて、アコースティックタイム。ここでは
Goodbye
ロゴ入りピックを何枚もフロアに投げ入れて、「あれ、テッド・ニュージェントのロゴ入りピックが混じってるぞ」と言いつつ
そう、ジャックはグループが空中分解していた時期、テッド・ニュージェント、トミー・ショウらとダム・ヤンキーズをやっていたんですね。トミーがスティックスのライヴで同じ曲を演ったのも聴きましたが、そのときはトミー一人の弾き語りで、一節だけで終わってしまったような感じでしたが、今回はメンバー全員が参加してのフルバージョンで、こっちの方がよかったです。
またフルセットに戻ると
ラスト近くになると盛り上がって、
Rock in America
そして最後は、シブがき隊「ゾッコンLove」(イントロがそっくりなんです)、いやいや、
Don’t Tell Me You Love Me
の大合唱で、一端引っ込んだ。
となるとアンコールはやっぱり、名バラード
Sister Christian
でした。
聴衆は、HMの連帯を表す例の、右手の人差し指と小指を立てるサインでコブシを上げる人が多かったです。
ジャックが、結婚三十年なんで妻に写真を送る、といってフロアをバックに撮っていました。
ブラッドが今週の金曜日、東京で50歳の誕生日を迎えるそうです。
まだまだ、ロックできるぞ!
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント